多頭飼育崩壊の民家 子犬が相次ぎ死亡 残る1匹と母犬を救え ボランティアや保護団体のレスキューが始まった
2024年夏、北九州のある町の民家でワンコの多頭飼育崩壊が起こりました。
状況を知った地元のボランティアさんが民家に交渉し、飼い主に寄り添いながら少しでも環境が良くなるよう掃除をしたり、ワンコのお世話をサポートし続けましたが、なんとそのサポートの最中に、このうちの1匹が出産。4匹の尊い命を産み落としたものの、その数日後には3匹の子犬が命を落としました。
残る1匹はなんとかして生き延びてほしい…そう願うボランティアさんは、保護仲間に親子ワンコの保護を呼びかけることにしました。
■九州を北へ南へ。ボランティアと保護団体の絆が繋いだ命
声がかかった保護団体のうちの一つが宮崎県の咲桃虎(さくもんと)という団体です。しかし、宮崎から北九州へはクルマでの移動でも約5時間。あいにく別件で団体メンバーは誰も動けなかったため、さらに同団体が懇意にしている福岡県のわんわんさくちゃんお日様の会に協力要請。
この団体に登録するボランティアさんが現場に急行し、最初に呼びかけたボランティアさんと連携して、親子ワンコの保護に向かいました。
■北九州→福岡→宮崎へと移動し保護された親子ワンコ
保護時の母犬は、やつれた体でも必死に産んで間もない子犬のお世話をしており、保護時は「これから私たちをどこに連れて行く気なんですか?」「やめてください」といった複雑な表情を浮かべていました。
しかし、ボランティアさんたちの愛情を感じ取ってくれたのか、すぐに心を開きそのままスッとワゴンに乗り込んでくれました。親子ワンコは福岡の団体で一晩過ごした後、その翌日に宮崎の団体まで移動。長い時間になりましたが、特に子犬には細心の注意をはらっての移動でした。
そして、宮崎の団体にたどり着いた親子ワンコは幸い無事。改めて宮崎県の団体でお世話を受け、現在では親子ともに元気を取り戻しスクスク成長を遂げています。まだ経過観察中のため、里親募集などには出されていませんが、このまま無事に成長を遂げてくれれば、程なくして新しいお家探しが始まります。
■ボランティア・保護団体が連携して救った好例に
ここまでの経緯は心あるボランティアさん、保護団体の垣根を超えた「命のバトン」が迅速に渡され救うことができた好例です。十分なお世話をせず、犬猫の尊い命を粗末にする人がいる一方で、心ある優しい人たちがいることを示すことになりました。
こういった心ある人たち行動や活動の様子が1人でも多くの人に伝わり、この世に生まれてきた犬猫たちが人間たちと、仲良くともに生きる社会になってくれると良いなと思います。
(まいどなニュース特約・松田 義人)