グリーンランド、対米で4党連立 領有狙うトランプ氏の圧力に
【ロンドン共同】デンマーク自治領グリーンランドの議会選で第1党となったデモクラティット党が28日、他の3党と連立政権樹立で正式合意した。地元メディアが報じた。デモクラティット党のニールセン党首は、グリーンランド領有を狙うトランプ米大統領の圧力に対抗するため、各党に結束を呼びかけていた。
エーエデ自治政府首相が財務相となり、ニールセン氏に首相を引き継ぐ。ニールセン氏は28日、記者会見で「外からの圧力に立ち向かうため、各党が意見の違いを忘れなくてはならない」と語った。
親米色が濃く、早期の独立を目指す第2党のナレラック党を除く全党が連立を組み、全31議席中23席を占めることになる。ナレラック党はトランプ氏側に近い議員や支持者がおり、トランプ氏側は今後、同党を通じてグリーンランドへの接近を試みる可能性がある。
28日はバンス米副大統領夫妻がグリーンランド北西部のビドフィク米宇宙軍基地を視察する予定。住民の多くは米国による領有に激しく反対しており、トランプ政権の動きを警戒している。連立政権の合意は夫妻の訪問に合わせたとみられる。