【金本知憲氏の眼】阪神・藤浪は次戦に切り替えて 広島・森下はすごい投手になる

 「阪神0-6広島」(14日、京セラドーム大阪)

 阪神・藤浪は6回6失点だったが、今日は投球内容がどうではなく、カープ打線が上回ったと言える。初回の鈴木誠のタイムリーも2ストライクに追い込まれる前の低めの変化球を仕留めたもの。松山の2点二塁打も厳しいコースを粘った末に、直球をしっかり打ち返したものだった。

 六回に投手・森下に浴びたタイムリーも、ベンチが8番打者を申告敬遠で歩かせた上での結果だけに、本来はダメなのだが、打たれたボールは低めのスライダー。うまく引っかけられて三塁線を抜けた。だから尾を引く必要はないし、切り替えればいい。

 インサイドが使えないという視点もあるかもしれないが、藤浪はコーナーワークではなく、ボールの勢いとスライダー、フォークで勝負するピッチャー。そこを求めるのは酷だし、藤浪のピッチングよりもカープのバッターが上回ったと割り切って考えればいいと思う。

 そして広島の森下はすごいピッチャーになる可能性を秘めていると感じた。さすが佐々岡監督が「自慢のドラフト1位。けん制もうまい、フィールディングもできる、クイックもできる」と評していた投手。相手目線で見れば、あのカーブに対して非常にてこずったのではないか。

 イメージ的には今の若い選手には記憶に薄いかもしれないが、元中日の今中のドローンとしたカーブと、メッセンジャーの縦割れカーブ、その中間くらいの軌道をたどる。あのカーブを捉えようとすれば、ヤマを張ってギャンブルバッティングになってしまう。攻略するとすれば、カーブを捨てるしかない。カーブは捨てて、あの残像を残さないようにしないとストレートに差し込まれる。今日の状態であればそう簡単には崩せない。調子が悪い時に崩せるかどうかだろう。

 バッター目線からすると、フォームがきれいでバランスが良くて、タイミングは取りやすいのに、あれだけ抑えられるのは、やはり球の質、精度が高いと思う。田中将大やダルビッシュ、菅野を超えるような投手になってもらいたい。

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