阪神・近本インタビュー2 今オフ水泳トレ導入へ「足のこともあるので」
阪神の近本光司外野手(26)が、オンラインでインタビューに応じた。チーム唯一の全120試合に出場し、2年連続で盗塁王のタイトルを獲得。今季の自身の打撃を振り返り、不振に陥った理由と脱却した方法などを初めて明かした。来季は3年連続盗塁王に自身初の打率3割も目標に掲げる。苦しんだ今年の経験を生かし、虎の韋駄天(いだてん)がさらなる飛躍を誓う。
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-フリー打撃で行っている緩いボールを打つのも継続する。
「基本的には緩いボールだけでいいかなと思っています」
-プロで2シーズンを終え、打撃の成績がいろんな細かい項目で出た。打率、盗塁数以外に出塁率、長打率などでこだわっている部分は。
「1番を打っている以上、得点でチームに貢献したいと思っているので。今年の目標でも100得点というのを目標にやっていて、試合数は減ってしまったんですけど、今年も去年ぐらいの得点を取ることができた。来年も100得点というのを目標にやりたい」
-長打率も上げていきたい。
「今年、去年と本塁打の数も一緒ですし。三塁打は少なかったですけど、二塁打はちょっと増えた。去年も二塁打を増やしたいと思っていたので。来年もそういうところだったり、トラックマンで見た時の打球角度も上がっている。そういうところでもアベレージを残していきたい」
-走塁面では以前、「若いうちに盗塁王を取りたい」と話していた。来季も3年連続を狙う。
「連続で盗塁王を取れるというのは来年もそうですし。まだまだ若手だと思うので、そういうところはしっかり狙っていきたい。チームの得点につながるような盗塁を1個でも多くしたい」
-歩幅、回転数など、来季に向けて走塁面で改善するところは。
「ストライドというか、(塁間を)12歩で回転数を上げていくというか、回転数は12歩なんで。全体的なタイムとか、できるだけ負担のないような走りにしたいなと思います。自分の中ではだいぶ良くなってきたなというのはあるので、そういうところを継続しつつ、これから伸ばせるとなれば、リード幅だったり、スタートだったりというところをもう少し、来年頑張っていこうかなと思っています」
-昨秋のキャンプではスライディング練習に重点を置いて取り組んでいた。その効果は。
「去年の秋季練習でやったことが僕の中では良かった。自分の中では、はまった練習方法でした。コツをつかんだというか、土の上で走って、スライディングしたりというのも、特に意識しなくてもできるようになったのがつかんだことだと思います」
-シーズンを終えて、矢野監督は近本の足が万全ではなかったと話していた。
「(状態が悪かったのは)足です。(シーズンに)入ってからです」
-その中でも試合に出続けて、盗塁王を取れたのは自信になる。
「気持ちの面で結構、苦しい時もあったんですけど、それでも試合に出る以上はやらないといけない。(盗塁の)数はそんなにできなかったんですけど、しっかり走れたというのは良かった」
-今年のオフは例年とは異なり、短くなる。準備で意識する部分は。
「今年は11月29日まで練習して、そこから来年のキャンプも始まってすぐ実戦もある。そんなに休めないと思うので、野球だけでなく、違うトレーニングだったり、体を動かすことだったりは継続してやっていかないといけないのかなと思っています」
-具体的なトレーニングは。
「ウエートトレーニングをベースに、まあ何というんですかね。足のこともあるので、水泳とか。具体的にはウエートぐらいしか決まっていないですね。ウエートか、水泳ぐらいです」
-水泳を取り入れる。
「全然、泳げなかったんですけど。高校の時に遠泳の実習とかもあり、泳ぎは得意ではないんですけど、夏場の練習後に泳がされていたので。肩のトレーニングだったり、体を動かしたりというのはいいのかなと思っています。それを今回、試しにやってみようかなという感じです」
-ケガをしないために、オフの期間も体づくりや食事面には気をつける。
「ケガしない体づくりって、難しいと思うので。外傷のケガは置いておいて、自分が足をケガするとか、肩や脇腹だとかは自分の体の使い方だと思うので。意識するのはトレーニングぐらいかなと思っています」
-話は変わるが、今もコロナ禍で苦しい状況が続く。来年に向かって社会の中で、どのような役割を果たしていきたい。
「最近、また感染者数も増えて、対策とかも難しい状況になってきているんですけど。僕たち選手、野球というのは現場で見ることもそうですけど、テレビ、メディアを通して、多くの人に届けることができるので。そういうところでテレビ越しでもしっかり自分たちの魅力を伝えていけたらいいと思っているので」
(続けて)
「僕だったら、盗塁一つ、ヒット一つ、勝利一つで少しでも元気になってもらえたらなと思って、今年一年やってきました。これからもしんどい状況は続くんですけど、負けずに僕たちもやっていけたらと思っています」