阪神・ドラ1佐藤輝 単独打点王 テルシフトなんの!伊藤将に贈った2打席連続適時打
「DeNA1-4阪神」(8日、横浜スタジアム)
阪神・佐藤輝が同期入団の伊藤将に“誕生日プレゼント”を贈った。前日に続いて「4番・三塁」で先発出場し、2打席連続タイムリーをマーク。「フハハハハ」と声を出して笑い、「打点というプレゼントで、良かったと思います」とバースデー勝利の左腕を祝福した。
0-0の四回、先頭の近本が四球で出塁。すかさず二盗を決めて好機を拡大させたが、続く糸原は左飛に倒れた。ロメロの暴投で近本が三塁に進んでも、マルテは二飛で走者をかえせなかった。
攻撃の流れがよどみ、4番までも打ち取られれば一気に空気が重くなる場面。DeNA内野陣は全体的に右翼側に寄る“テルシフト”を敢行してきた。しかし佐藤輝は追い込まれながらも外寄りツーシームをフルスイング。猛烈な打球は二塁ベース後方にいた遊撃・田中俊の右を突き抜け、価値ある先制点をたたき出した。
続く五回、2点を勝ち越しなおも2死一、二塁の好機では、再び大胆シフトで包囲網を掛けてきた。すると今度は狭い一、二塁間を弾丸で突き破った。圧倒的なパワーで相手の戦意を喪失させた右前適時打。「ランナーがいる場面でヒットでも何でも打点を稼ぐことができたので、良かったです」と胸を張る。
矢野監督は「毎日のことなんで別にビックリしない」と話す一方、好機での2安打に「中身的にもしっかりしたものがある」と目を細めた。“体験入部”から始まった4番道で3試合連続打点をマークし、打率・417、2本塁打、8打点。大山不在を感じさせないほど、存在感は増してきている。
開幕から積み上げてきた打点は「28」となり、並んでいた巨人・岡本和を抜いてリーグ単独トップに浮上。ヤクルト・村上らと並ぶ10本塁打と合わせ、堂々の2冠だ。さらに自己最長を更新する6戦連続安打と、勢いは止まらない。
佐藤輝は「中軸がしっかり打てばチームも盛り上がると思うので。チームが勝てるようにやっていきたいと思います」と4番の自覚を口にした。驚くべきスピードで飛躍する背番号8。もはや貫禄すら漂ってきた。