阪神・中野 今季最長8戦連続安打 連敗で2位・巨人0・5差まで接近も「打線を“線”としてつなげられるように」

 3回、同点適時打を放ち、声を上げる
 3回、同点適時打を放つ中野(撮影・飯室逸平)
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 「阪神1-3広島」(8日、甲子園球場)

 甲子園が2日連続でため息に包まれた。1点を追う三回、阪神・中野拓夢内野手(27)が今季最長8試合連続安打となる右前適時打を放ったが、その後は打線が沈黙。広島に連敗し2カード連続の負け越しとなった。「後ろの打者につなぐという意識をもう一回、全員が持ちながら」とナインに呼びかけた選手会長。2位の巨人とは0・5差。ここが踏ん張りどころだ。

 歓喜の声よりも、ため息が甲子園に充満する。またしても、打線が停滞した。その中で中野の同点打が唯一の光。「なかなかチャンスを作れない中で、近本さんがチャンスメークしてくれた」。少ない好機に必死で後ろへとつなぐ。今のチームに足りないことを選手会長が体現した。

 1点ビハインドの三回。先頭の近本が安打と二盗成功で無死二塁とした。中野はカウント2-2から3球ファウルで粘る。「最後に来た甘いところを仕留められた」。大瀬良の147キロ直球を右前へ運び、同点適時打。今季最長の8試合連続安打がチーム13イニングぶりの得点を生み出した。

 7日は自身の2失策が失点に直結。敗戦の責任を感じていた。ただ、一夜明ければ目の前の一戦に集中。「きのうのことはあまり引きずらず、自分のやるべきことをやった結果がきょうかなと思います」。守備でも3つのゴロを無難にさばく。気持ちの強さがあった。

 自らの一打で同点にはなったが、四回以降は三塁すら踏めず。わずか4安打で1得点。中軸が不発に終わり、ここ2試合は投手陣の力投に応えることができていない。虎の選手会長としても、もどかしい日々。苦しい時こそ、チーム一丸を呼びかけた。

 「なかなかつながらない時に自分がかえそうと思いすぎてしまうと、逆にプレッシャーがかかってしまう。後ろの打者につなぐという意識をもう一回、全員が持ちながら。打線を“線”としてつなげられるようにやっていきたい」

 三回の一打も「自分でかえそうというよりも、いい形で後ろにつなごうという意識があった」という。絶好調の選手はいない。だからこそ、点ではなく線として機能できるかが重要になってくる。個々がつなぎの意識を持つことが勝利への近道となりそうだ。

 2位の巨人が勝ったため、0・5ゲーム差まで詰め寄られた。まだ、甲子園で5月初勝利は挙げられていない。10日からは敵地でDeNA、中日との連戦が続く。「簡単にアウトにならないようにやっていきたい」。泥くさく、がむしゃらに。まずは心と体をリセットして、横浜へと乗り込む。

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