阪神・佐藤輝 特大V弾!確信15号「完璧な一発」逆転Vへ希望つないだ!22日から天王山2連戦「ホントふたつ勝ちに行く」

 「DeNA5-6阪神」(21日、横浜スタジアム)

 夢と希望をつなぐ一撃だった。阪神・佐藤輝明内野手(25)が延長十回、右翼席中段への決勝15号ソロ。ドジャース・大谷ばりの確信弾にスタンドは沸き、首位・巨人が敗れたことで再び2ゲーム差に迫った。22日からは甲子園での直接対決2連戦となる天王山。超満員のファンを味方につけ、2連勝だけを目指す。

 誇らしげに突き上げたバットが、雌雄を決する合図となった。右翼スタンド上部のウィング席手前に放り込んだ佐藤輝の特大弾。ただ1勝をもたらしただけでなく、アレンパを懸けた頂上決戦へ猛虎を加速させる意味でも価値ある一発だ。熱狂が渦巻く左翼席の虎党を指さしながら、ダイヤモンドを一周し「いや、もう、最高です!!」と悦に浸った。

 序盤の4点リードをひっくり返され、追いついて迎えた延長十回。先に巨人が逆転負けしていただけに、ゲーム差を縮めるためには絶対に負けられない。「風もいい風吹いてたんで、一発狙っていきました」と気持ちを高ぶらせて、1死走者なしの打席へと向かった。

 ファーストストライクの内角直球はバックネットへのファウルとなったが、タイミングはつかめた。2-1のバッティングカウントから再び来た内角直球にバットを一閃(いっせん)。「内容は忘れたんですけど、ホームランになって良かったです。集中してたんで」。マウンド上のウェンデルケンに今季初被弾を浴びせた。

 「完璧な一発が出たと思います。飛距離は関係なく入ったんで、良かったです」。自画自賛の軌道。泣かされることが多い甲子園の浜風とは逆方向に強風が吹いていたが、風の助けを借りる必要はなかった。

 自身で「得意としていた」と感じながらも昨季ノーアーチだった横浜スタジアムで、今季3本目。「やっぱりホームランですよね。ホームランっていうのは僕が一番好きな瞬間ですし、やっぱ盛り上がると思うので、ホームランを一番に目指せたら」。胸に抱き続けるスラッガーの矜持(きょうじ)で、チームを最高の状態で天王山へと向かわせた。

 ヒーローインタビューでは「皆さんと同じで僕たちも誰ひとり諦めてないんで、最後までご声援よろしくお願いします」と力強く呼びかけて、大歓声を浴びた。ペナントレース最終コーナー、いよいよ22日から聖地で2ゲーム差で追う首位・巨人を迎え撃つ。今季甲子園での巨人戦は打率・333、2本塁打、7打点と好相性を誇る。「ホントふたつ勝ちに行って。頑張ります」。連勝しか見えない。そして、その先には連覇しか見えない。

 ◆甲子園G倒や! 今季甲子園の勝敗成績は37勝19敗2分けで勝率・661。さらに巨人戦に限れば7勝3敗1分けで勝率7割を誇る。阪神は今季残り7試合のうち、甲子園が4試合。ちなみに巨人は残り8試合で東京ドーム2試合となっている。

 ◆大逆転V!1964年の再現や!! シーズン残り9試合を全勝して大逆転優勝を飾った年。この年の阪神は残り7試合の時点でも首位・大洋と3・5ゲーム差の2位だった。ところが、まず9月20日の首位・大洋との直接対決ダブルヘッダー連勝。さらに同26日の大洋とのダブルヘッダーも連勝して0・5ゲーム差に迫ると、阪神のシーズン最終日だった同30日、中日とのダブルヘッダー1試合目を勝利してリーグ制覇。シーズン最終盤に見せた破竹の快進撃で優勝した年だった。

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