岡田阪神 今季最大の激痛黒星 連覇遠のく零敗 中野「残り全部勝って逆転」選手会長がチーム鼓舞

 6回、中飛に倒れた佐藤輝(撮影・中田匡峻)
 7回、高橋が坂本に先制適時打を浴び、投手交代を告げた岡田監督
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 「阪神0-1巨人」(23日、甲子園球場)

 今季最大の失意。1点を追った九回2死二塁。阪神・木浪聖也内野手(30)のバットが空を切ると、超満員で埋まったスタンドの大部分からため息が漏れた。連覇が遠のく屈辱の完封負け。首位・巨人とのゲーム差は再び「2」に開き、優勝マジックは「4」となった。グラウンドに投げ込まれたメガホンが、ファンの心模様を表した。

 耳をつんざくような大歓声が一瞬にして落胆のため息に変わった。1点を追う九回2死二塁。大勢が投じた外角低めのフォークに木浪のバットがむなしく空を切った。球団史上初の連覇が遠のく重い1敗。悲嘆に暮れた右翼席の虎党からグラウンドにメガホンが投げ込まれた。

 試合後、岡田監督は取材に応じることはなかった。会見用の部屋に姿を見せることなく、ベンチ裏からクラブハウスへと引き揚げていく背中には、敗戦の痛みがにじんでいた。指揮官が試合後に言葉を発しなかったのは、当時首位だった広島に敗れて4差に突き放された8月10日以来だ。

 最短25日だった優勝マジック点灯に向けて連勝を目指した天王山第2戦。ワンチャンスを生かして1-0で勝利した前日とは打って変わり、序盤から拙攻が続いた。

 初回は2死一、三塁から佐藤輝が空振り三振に倒れた。二回は2死一、二塁から近本が投ゴロ。三回は1死二塁から大山が遊ゴロ、続く佐藤輝が再び空振り三振に終わった。初回から3イニング連続で得点圏に走者を進めながら“あと一本”が出なかった。

 六回は先頭の大山が左中間への二塁打で出塁したが、佐藤輝、代打・前川、梅野が3者連続で凡退。直後の七回には孤軍奮闘を続けていた高橋が3連打を浴び、決勝点となる1点を失った。

 岡田監督も懸命のタクトで追いすがった。九回2死から代打・糸原が内野安打で出塁すると、すかさず代走・植田を送った。植田は続く木浪の3球目に二盗。あと1アウトで敗戦となる土壇場から一打同点の絶好機を作ったが、木浪の空振り三振で試合は終わった。

 勝てば首位を走る巨人に肩を並べることができたが、再び2差に後退した。残り5試合で全勝しても、6試合を残す巨人が4勝2敗なら優勝には届かない。冷徹な数字を突きつけられても、誰一人として諦めてはいない。選手会長の中野は「ここで下を向いても何もいいことはない。最後まで諦めず、残りの試合に全部勝って逆転できるように頑張りたい」とチームを鼓舞した。

 3日間を挟んで、27日・広島戦(マツダ)から4連戦が控える。連覇の灯が消えない限り、宿敵の背中を追い続ける。

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