【岡義朗氏の眼】阪神は積極的に足を使った攻撃で得点に 藤川野球の色が見えた 投手出身監督が経験してきたからこその戦略
「阪神3-5ヤクルト」(9日、甲子園球場)
阪神は手痛いミスでヤクルトに逆転を許し連敗を喫した。。藤川監督は体調不良の佐藤輝を2試合連続で先発から外し、4番に大山を置くなど打線を組み替えて3点を先行。だが、六回に2番手・工藤の2暴投や大山の適時失策など5点を奪われ逆転を許した。打線は37イニング連続で適時打が出ない悪循環(本塁打を除く)。いまだにホームゲームで勝てていないが、デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「攻撃では積極的に足を使う藤川野球の色が見えた」と指摘した。
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投手の代え時の難しさを改めて感じさせる試合になった。先発のビーズリーは五回までで球数が88球。阪神ベンチとしてはなんとか六回を乗り切れれば、あとは石井、桐敷、岩崎が控えているだけに逃げ切れるという勝算があったと思う。
しかし、ビーズリーは先頭の西川に対してカウント2-2からの勝負球が2球続けて高めに浮いて四球。握力がなくなってきていると感じた。続く長岡に二塁打を浴びて無死二、三塁となったところで工藤が送り込まれたが、2つの暴投で失点。完全に力みかえっていて、打者と勝負する前に自滅してしまった。
ベンチが工藤を送り出したのは三振が取れる投手であることと、彼への大きな期待感である。結果は裏目に出てしまったが、これも勉強。この経験を糧に今後の成長につなげていくことが大切だし、藤川監督もそう思っているだろう。
攻撃では藤川野球の色が見えた。二回に1点を先制し、なおも無死満塁で小幡が中犠飛。浅い飛球だったが、二走・木浪がタッチアップで三塁に進む好走塁を見せ、ビーズリーのセーフティースクイズにつなげた。初回はアウトになったが、近本が二盗を試み、三回は大山が二盗を決めて捕手の悪送球を誘って三進した。四回には梅野、小幡でエンドランを成功させて好機を広げた。
積極的に足を使うことで、相手を揺さぶり、自軍の攻撃に勢いをもたらそうという狙いで、去年までの岡田野球ではあまり見られなかった。こういう足攻めは相手の投手も疲弊する。投手出身の藤川監督が身をもって経験してきたからこその戦略ともいえるだろう。
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