【ドラフト選手特集・岡城快生(上)】中学時代はクラスで学級委員、野球部では主将「誰からも愛される子」中学時代の恩師が太鼓判

 筑波大時代の岡城
 吉備中学校時代の岡城(本人提供)
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 10月のドラフト会議で、阪神から指名を受けた7選手(1~5位・育成1、2位)の連載をお届けする。今回はドラフト3位の岡城快生外野手(22)=筑波大=。クラスのムードメーカー兼リーダー的な存在だった吉備中時代を振り返る。

  ◇  ◇

 岡城快生を一言で表すと。岡山市立吉備中学校の恩師・井原一則先生(40)は「誰からも愛される子」と証言する。例に挙げたのは岡山県出身の2人。「山本由伸さんとDeNAの佐野さんを悪く言う人はいない」。岡城はクラスで学級委員を務め、野球部では主将。中学校のムードメーカー兼リーダー的な存在だった。

 ワールドシリーズMVPのドジャース・山本由伸と、2020年に首位打者となったDeNAの佐野恵太に人間性は劣らない。「2人と全く一緒で、これまで岡城さんに関わった人は、いい話しかないと思います」。井原先生は自信を持って、太鼓判を押した。

 とにかく優等生で真っすぐな男。「人間関係の問題に携わるとか、掃除ができないとか、先生に対して態度が悪いとかは一切ない」。部活動と体育が盛んな同校。担任の先生をはじめ、体育の担当教員も岡城の声かけ、表情、人を引きつける力など、全てを褒めちぎっていたという。

 井原先生は岡城が中学3年の時に顧問として、監督を任された。「私は3年からの付き合いなので、崩してはいけない」と練習メニューの多くは選手に任せた。その中心となり、チームを最後の大会で優勝に導いたのも岡城だった。怠慢プレーなどで怒ったことは一度もない。逆に、監督と選手の間を取り持つ役割も担ってくれた。

 井原先生は中学でロッテの広畑を指導した経験もある。岡城がプロ野球選手になる予感はあったのか。「想像できなかったです」とほほ笑んだ。中学では身長も165センチ以下。でもプロ入りが決まった後、「あいつがプロ!?」と否定的な声は一切聞こえてこなかった。「本当に努力しかないですね」とうれしそうに、声のトーンが上がった。

 願いは二つ。「阪神ファンの方にずっと応援される。本当にそれしかないですよね。あと、個人的にはセンターでスタメンを取ってほしい」。吉備中学校の思いを背負って、プロの舞台へと飛び込んでいく。

 そして井原先生には忘れられないことがある。岡山一宮から筑波大への進学が決まり、報告に来てくれた。本人は当時のことを覚えていなかったが、教員免許を取って同僚になると喜ぶ井原先生へ、岡城は力強く言ったという。「まず、プロを目指します」。岡山一宮で、そう言えるまでに成長したのだ。

 【岡城快生(おかしろ・かいせい)】

 ◆生年月日 2003年6月23日生まれ、22歳、岡山市出身

 ◆サイズ 183センチ、83キロ

 ◆投打 右投げ右打ち

 ◆球歴 吉備小1年から岡山庭瀬シャークスで野球を始め、吉備中では軟式野球部に所属。岡山一宮では1年秋からベンチ入り。筑波大では2年春にリーグ戦初出場

 ◆50メートル走 5秒82

 ◆遠投 115メートル

 ◆趣味 ギター。よく弾くのは菅田将暉の「さよならエレジー」など

 ◆特技 けん玉

 ◆座右の銘 「賽(さい)は投げられた」(一度決断して行動したことは最後までやり遂げるという意味)

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