阪神・藤川監督が殿堂候補者入り 1年目選出なら史上8人目 エキスパート表彰候補の岡田彰布氏とW選出も
野球殿堂博物館は4日、来年の野球殿堂入り候補者を発表した。全3部門で計53人。プレーヤー表彰では阪神・藤川球児監督(45)が新たに加わった。現役時代は火の玉ストレートを武器に通算243セーブ、同163ホールドをマーク。候補入り1年目での殿堂入りとなれば史上8人目、球団では2018年・金本知憲氏(デイリースポーツ評論家)以来となる。指導者の実績も加味されるエキスパート表彰では、阪神前監督・岡田彰布氏(68)=現オーナー付顧問=が候補に名を連ねており、藤川監督との“ダブル選出”に期待が集まる。発表と通知式は投票を経て来年1月15日に行われる。
猛虎の歴史に数々の伝説を残してきた男が、新たな勲章を手にするかもしれない。プレーヤー表彰の候補者に、藤川監督が初めて入った。候補に選ばれて1年目に殿堂入りを果たせばイチロー氏に続いて史上8人目、球団では2018年・金本知憲氏以来の快挙となる。
藤川監督は2005年に火の玉ストレートを武器に大ブレーク。46ホールドを挙げてリーグ優勝に貢献すると、07年から守護神に君臨。2度のWBC、北京五輪に出場するなど、国際大会の経験も豊富だ。球宴での真っ向勝負は名勝負として語り継がれ、ファンの記憶に鮮烈なインパクトを残した。メジャー挑戦、四国ILp高知を経て、再びタテジマに袖を通し、20年に惜しまれつつユニホームを脱いだ。
実績も申し分ない。歴代6位の通算243セーブ、同7位の163ホールドを残し、22年に特例入会制度で名球会入りを果たした。782登板も球団1位の記録。候補入り即、殿堂入りする可能性は十分にある。
指導者としての実績が加味されるエキスパート表彰の候補者には今年も岡田氏が入っている。昨年は4位となる48・3%の得票率を集めており、藤川監督との“ダブル選出”に期待が集まる。岡田氏は阪神監督として05年にJFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之)を擁してリーグ優勝を達成。虎将に復帰した23年は優勝を意味する「アレ」が新語・流行語大賞に選ばれるなど、空前の岡田フィーバーを巻き起こした。熟練の手腕で18年ぶりのリーグ優勝、日本一に導き、希代の名将となった。
23年にはランディ・バース氏、今年は掛布雅之氏がそれぞれエキスパート表彰で殿堂入りを果たしており、伝説の甲子園バックスクリーン3連発を放ったクリーンアップ3人の名前が野球殿堂に刻まれることになる。
粟井球団社長は「大変喜ばしいことですね。2人とも殿堂入りとなれば本当にうれしい」と満面の笑み。2日には掛布氏の殿堂入りを祝う会が開かれたばかりで、「今年はありがたいことにパーティーも続いていて、うれしい悲鳴ですよ」と藤川監督と岡田氏の同時受賞に期待を膨らませた。
発表と通知式は、来年1月15日に都内で開催される。新年早々、朗報が舞い込めば、連覇へ追い風となるに違いない。
◆候補入り1年目での選出 競技者表彰が始まった1960年以降、候補入り1年目での選出はビクトル・スタルヒン氏(1960年)、王貞治氏(94年)、野茂英雄氏(2014年)、工藤公康氏(16年)、松井秀喜氏、金本知憲氏(ともに18年)、イチロー氏(25年)に次いで史上8人目の快挙となる。
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