阪神愛は伝えたけど…初のTV出演はホロ苦 でも家族の大切さを改めて実感

テレビ番組の収録に臨んだ筆者
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 新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、辛い思いをしている人は多くいるだろう。僕は3月に入って鬱陶しくなりかけたその時に、息子の笑顔とある一言に救われた。

 先日、僕は“TVデビュー”を果たした。「ハロー!鶴瓶×サンド~ニッポンの外国人がやってきた~」(関西テレビ、3月22日放送)に出演した。MCの鶴瓶師匠やサンドウィッチマンが僕を含めた4人の外国人ゲストが「好きすぎて◯◯をやめられへん」をテーマにした番組でした。

 2月にTV局からオファーがきた時点で、僕のワクワク感は半端なかった。当初は、番組スタッフが東京から関西へ来て、僕の仕事ぶり、家族、そして僕が催すタイガース関係のイベントを取材し、編集する予定だった。しかし、新型コロナの影響でイベントが相次いで中止となり、ロケ取材が中止となった。

 さらに、神宮で行われるヤクルトとのオープン戦で阪神ファンの僕が応援しているシーンを撮影されるはずが、こちらも試合が無観客で行われて没に。番組中に放送されるVTR部分が大幅にカットになり、ちょっと凹みながらスタジオ収録の当日に新幹線に乗り、東京へ向かった。

 スタジオに着いて楽屋で共演するゲストに挨拶したら茫然自失してしまった。僕以外の3人は以下のメンバー。

 1人目は30年以上、武道を追求しているバングラデシュ人。自分の道場を運営しているし、これまで何度もテレビに出ており、場慣れしている。

 2人目は7年間、東京で映画監督をしているイギリス人。日本人の大物の俳優さんと仲良くしている。

 そして誰よりもキャラが濃かったのは、30年以上、大阪の富田林を愛し続けているドイツ人の女性。コテコテの大阪弁で完璧に大阪のオバちゃんになり切っていて、圧倒されてしまった。

 鶴瓶さんやサンドウィッチマン、さらに個性派揃いのゲストのなかで、うまく喋れる自信が完全になくなってしまったのだ。そんな精神状態のまま収録に臨んだ。阪神愛については十分伝えることができたが、結局のところ、笑いを取る場面が少なかった。帰りの新幹線の中では、収録の時を思いだし、少し落ち込んでいた。

 帰宅後、妻に「どうだった?」と聞かれ「ダメだったかも…」と答えた。そして放送日。家族全員でテレビの前に座った。僕は父親として、夫としてどう映るか物凄く不安だったが、僕の顔がテレビに映った瞬間、6歳の長男が興奮のあまり、こう叫んだ。「ダディが本当にテレビに出てる!信じられない!すごい!」と大喜びした。さらに、放送後、妻からは笑顔で「よかったよ」とねぎらいの言葉ももらった。

 そのおかげで僕のテンションは上がった。知り合いの阪神ファンやTVを見た人にどう受けられたかはどうでもよくなった。息子をはじめ、家族に格好よく見せられたのは僕の一生の思い出になった。新型コロナで五輪やプロ野球など、たくさんの娯楽が延期や中止になっている中で、家族の大切さを改めて実感することができた。

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com)で阪神情報を配信中。

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