ザトウクジラを見た?

 【2月25日】

 残波岬にザトウクジラが3頭…この日の沖縄タイムス地域面にそんな記事が掲載された。目撃者によれば、親子とみられるクジラが夕方「潜水艦みたい」に海面から姿を現し潮を吹いていたという。

 残波岬といえば阪神タイガースチーム宿舎の所在地である。もともとこの時期はホエールウオッチングのベストシーズンであり、沖縄近海に毎年1000頭近く回遊することが分かっている。猛虎戦士が部屋のカーテンを開けたら、「おお~」なんてことがあるかもなんて思いながら、球団本部企画統括次長の馬場哲也に確かめてみたのだが、「いやぁ、ウチの選手やスタッフから『クジラを見た』なんていう話は誰からも…」という。これまでサブ、チーフマネジャーとして長年チームに帯同してきた馬場が「一度も聞いたことがない」というのだから、やはり希少なシーンなのだろう。

 ザトウクジラは2月に温かい水温の沖縄近海で出産、子育てが行われ、春の訪れとともにロシアやアラスカへ獲物(餌)を求めて旅立つ。そう聞けば、なんだ、ザトウクジラもここで大きくなるのか…なんて虎と重ねてしまったり。

 ならば、サトウもクジラのように!なんて書くと、またこじつけて…と馬場に怒られそうだけど、いや、でもホントに佐藤輝明の背中は見る度に大きく頼もしく、いつでも大海原へ旅立てるのでは?と感じさせるのも確かである。

 快晴の宜野座で午前中行われたシートノックで、佐藤はレフトに就いて打球を追った。開幕までひと月。腰背部の張りで実戦を離れていた大山悠輔が間もなく復帰する。まずはDH??いや、いずれにしても彼はホットコーナーを任されるべき選手だから、このままの想定でいけば、佐藤はやはり外野が定位置になりそうか。

 この日、矢野燿大、そしてヘッドコーチの井上一樹が虎番記者から打順について問われ、「3番・佐藤」のオプションが話題になったようだ。シミュレーションでいえば、1番・近本、2番・糸原の並びなら佐藤まで左打者が並ぶ。ファンの関心事でもあるけれど、首脳陣がこれをどう考えるか。

 例えば近本である。彼の実績を振り返れば、過去2年、対左右投手で極端な差異が見られない。

 19年 対左投手=・273

    対右投手=・270

 20年 対左投手=・286

    対右投手=・296

 糸原はやや「右投手が得意」な数字が残っているが、近本の数字を踏まえ、さらに佐藤が左をそれほど苦にしなければ、ジグザグにこだわる必要性は感じない。宜野座のネット裏で、広島スコアラー岩本貴裕に佐藤の対左投手についてぶっちゃけてもらうと「悪くないですし、彼は慣れれば十分対応しそうな感じはします」という。

 ちなみに、大山の昨季成績は…

 対左=・292、6本、19打点 対右=・287、22本、66打点

 1番から左、左、左、右…そんな21年型の打線も魅力的に映る。 サトウがデッカく沖縄を回遊する日々も残りわずか。=敬称略=

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