186通りの具申
【10月21日】
佐藤輝明が代打のコールを受けたとき、甲子園が沸いた。その後も守備に就き、再び打席に立つと歓声はさらに膨れた。ノーヒットだったけれど、凡打でこれほどスタンドが賑わう打者はいない。
高橋遥人が文句なしの投球を披露し、虎党の心を揺さぶった夜、僕はサトテルの原稿を書こうと思う。原稿…いや、きょうは皆さんの思いを掲載したいと思う。
9月末、僕が投稿したツイートに思った以上の反応があった。特に「当欄に載せます」とは書かなかったし、掲載するつもりで投稿したものでもなかった。にもかかわらず、リプライ、コメント付きのリツイート併せ、186通。様々な意見、具申をいただいた。
【佐藤輝明選手の起用法について皆さんがどう感じているか知りたいと思っています】
この投稿に寄せられたコメントを一部だけど紹介したい。
「シンプルなこと。使わなければ結果は出ない。優勝争いしてる状況だからこそ、打席に立たせたい。ただし指導者のバックアップは欠かせない。精神論ではなく」
「8番でいいから出し続ける」
「岡田さんが批判に負けず鳥谷を使い続けたように佐藤輝明は常に使い続ける選手だと思います。全打席三振でも文句ありません。川藤さんのように胸張って帰ってきてほしいです」
「もちろんスタメンで使うべきです。佐藤輝明を1番に置いて近本を3番に。代打だと1打席で結果を求められる状況ゆえにどうしても打席で力んでしまう。先頭打者に置くことで『出塁したい』願望で選球眼が良くなると思う」
このように、理由は十色だけどスタメン起用を続けるべきだという意見が「96通」あった。しかし一方ではこんなご意見も…。
「優勝争いの真っ只中で、チャンスにサトテルって、ものすごい期待もあるんですが、このままやとサトテルが壊れそうで怖いんです。なのでここは使うのを我慢してほしいです」
「矢野監督の起用、判断だけを信じます。このような意見交換はまた首脳陣、他選手へのヘイトが溜まりがちなので好みません」
「どのようなものであるにせよ現場の判断が最良と信じてあげてください」
このように「スタメン起用がいいとは思わない」という類の意見が「24通」。ほかには「現場、監督の判断が全て」という趣旨のものが「7通」あった。さらに…
「外野のOBがあれこれ言い過ぎ。それを面白おかしく(?)伝えるメディアもどうかと思う」
また、「風さんがそんなこと呟くと、おかしなことになる。黙ってて」と、お叱りも受けた。
僕は佐藤輝明をスタメン起用してほしいとずっと書いてきた。自分の気持ちにウソはつけないのでここで訂正はしないけれど、間違いなく矢野には「使わない覚悟」がある。「不振でもスタメンで」そんな声が内外にあることも承知の上で…。いつかその決断を矢野に直接聞ける日がくれば、ありがたい。=敬称略=