エースなんて書くな

 【11月7日】

 高橋遥人、青柳晃洋を立てて巨人に勝てなかった。もちろん悔しいし、キーを叩きながらまだ苛立っているけれど、この二人でダメなら…と前を向く。打線との兼ね合いもあるし、ミスもあった。

 しかし、それでもチームで最高の投手は、こういう試合で勝たねばならない。シーズンの勝負所、正念場、戦いのクライマックスで勝ってこそ「エース」と呼べる。阪神の場合、巨人が相手ならなおさらその価値をファンが認める。

 ツイッターで「阪神のエース」とは誰かと虎党に問えば、この20年間のくくりでは、井川慶とR・メッセンジャーが圧倒的な支持を集めた。これは、きのう書いた。 では、もうひとつ…。

 次代の…つまり、来年以降「エース」と呼ばれるようになってほしい投手は誰か?そんな投稿すると、僕のツイッターを見てもらえば分かるけれど、左では高橋遥人が一番人気。そして、右では藤浪晋太郎が最も支持を集める。

 巨人軍のエースは誰か?

 G党でなくとも、プロ野球ファンは迷わず答えられる。羨ましくもあるのだが、じゃ例えば、今季巨人で最多11勝を挙げた高橋優貴は「左のエース」と呼ばれているのか?G党にアンケートしたわけでもないので、正確には書けないけれど、きっとそれはない。18年ドラフト1位入団の高橋優の成績を見れば、2ケタ勝利は今年が初めて。「阪神キラー」なんて呼ばれるので、我々は厄介なイメージだけど、昨年は1勝、一昨年は5勝…いうならば「次代のエース候補」といったところか。最多勝3度、最優秀防御率4度、沢村賞2度…そんな右腕が君臨するチームにおいて、当面その座を取って代わることはできないけれど。

 さきほど、ツイッター〈投票〉のハナシで名前を挙げなかったが阪神次代のエースに青柳晃洋を推すリプもあった。数字を条件にすれば、高橋遥、藤浪よりも、今季最多勝のクオータースローはその座に最も近い男…だから、期待もするし、ダメなら落胆も大きい。

 菅野が初めて2桁勝利を挙げたのは1年目で13勝。今季13勝で初めて2桁勝った青柳が真価を問われるのは来季からであることは本人が一番承知しているだろうし、(多くの虎党の認識では)井川以来不在とされる和製エースへの道を切り開くことを、虎党は願う。

 もう22年シーズンが始まっている。課題が諸々ある中で僕の強い希望は、長い目で「絶対エース」をつくること。それも「左の」、「右の」ではなく、巨人を前に、仁王立ちする「大エース」を。

 この20年間で巨人に最も勝った阪神の投手は誰か。井川でもメッセンジャーでもなく、能見篤史である。巨人戦通算22勝の能見でさえ当方に言っていた。「僕なんかエースじゃないです。エースなんて絶対書かないでくださいよ」。

 対巨人戦は通算で青柳が4勝、藤浪も4勝。秋山拓巳が5勝。高橋遥人が5勝…高いハードルを超えた先に、栄えある称号が手に入る。候補者を見れば「その時」を待つ甲斐がある。=敬称略=

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