1時間半で完売しました

 【10月11日】

 近鉄百貨店の売り上げが好調だという。日本経済新聞(11日付)の見出しには「純利益53%増」とある。幼いころ近鉄沿線に住んでいた僕にとって馴染み深い百貨店だけど、なぜ今?と気になった。

 〈9月に実施したプロ野球オリックス・バファローズのパ・リーグ優勝の祝賀セールも活況で増収に寄与する〉

 記事の中程にそんな記述があり嗚呼そうか…と合点がいった。

 オリックスブルーウェーブとの吸収合併により、近鉄バファローズ球団の名が完全に消滅したのは05年。早いもので、あれからもう18年の歳月が経った。若者の中には、なぜ近鉄百貨店でオリのVセールをやってんの?なんて首をかしげる人もいるかもしれない。

 それを言えば、阪急ブレーブスを知らないファンはもっと多いはずだし、オリックス球団の前身が阪急であったことを知る世代も当然減っている。その阪急と阪神が一緒になり…うん、プロ野球史もむつかしい。そんなこんなで阪神タイガースのありがたみを思う。

 「売上高。改装後で最高」

 同じく日本経済新聞(11日付)の見出しである。こちら阪神百貨店の9月の売上高を報じたもので

優勝セール3日目の9月17日に最多入店客数を記録したのだとか。

 〈阪神タイガースがリーグ優勝した翌日から祝賀セールを開催した効果もあり、9月の売上高は2022年の改装完了後で単月の最高となった〉

 こんな記事を見れば、タイガース優勝の経済効果(関西圏)はWBCのそれより上!という、関西大名誉教授・宮本勝浩の算出にも「うんうん」と頷きたくもなる。

 歓喜の9・14以降、好景気な話題はまだまだ出てくる。

 「完売しました!」

 甲子園球場の関係者に取材すれば、声も潤って聞こえる。

 18日に開幕するセ・リーグのCSファイナルステージの一般発売(ネットのみ)がこの日(11日)12時に開始され、わずか1時間半で全6試合のチケットが売り切れたという。レフトビジター専用応援席は、カープファンかベイスターズファンのために後日発売されるが、阪神ファンの方々にとっては、ランチも喉を通らなかった日…だったかもしれない。

 前述した関大の宮本教授とは、時々メールでやりとりさせていただくのだが、熱烈なタイガースファンだけに、今オフの試算は熱がこもったはずである。

 「阪神ファンはアルコールが好きで、試合後に仲間内で飲みにいく機会が多いんです」

 だから飲食の経済効果も…。

 虎党=酒好き?これには客観的証拠が乏しいような気もするが、

そこはご愛嬌。関西的発想の試算も嫌いじゃない。

 そういえば、これも僕の肌感でとてもデータで出せるものではないが、18年前のV戦士より今の選手の酒量ははるかに少ない…ような気がする。だから、宮崎でウマい焼酎を堪能して調整が云々…なんて心配は要らない23年のV戦士たちである。=敬称略=

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