大山が言う「素直に…」
【1月24日】
中居正広が芸能界からの引退を電撃発表した。10代の頃から見てきた同世代のスターだけに衝撃は大きい。それにしても、昨今は子どもたちに説明しづらいニュースが多すぎる。
芸能界、プロ野球界の女性スキャンダルしかり、文春砲に触れるたびに辟易する。また、闇バイト事件や連鎖的な通り魔殺人もそれに輪をかけるわけだけど、やるせなく、どんよりした報道がテレビから流れる度に思う。
なんか、ええニュースないんかい。
未来を照らす話題は…。
「キャンプの見学ツアー、絶好調ですよ」。旧知の阪急交通社タイガース担当、松岡佳代が教えてくれた。
「見学ツアーは昨年の倍以上の本数を販売したのですが、販売日にほぼ完売しました」。猛虎への期待感が倍増?そりゃ、こっちもワクワクする。
球春間近。阪神の自主トレ公開もこの日「大トリ」を迎え、大山悠輔が元気な姿で報道陣の前に姿を見せた。
思えば、昨年末のFA宣言残留、それだけでファンは比類のない元気をもらった。SNSでは狂乱気味のコメントも散見したほど、主砲への感謝、愛が溢れていただけに、年明けの第一声が待ち遠しかったはずである。
甲子園でテレビ用の会見、そして、新聞用の会見でも武骨で真っ直ぐな気持ちを語った悠輔にちょっと別角度で聞いてみたいことがあった。
阪急交通社のほか、見学ツアーを組む放送局などに聞いても、今春は阪神キャンプに昨年をはるかに超えるファンが訪れるようだけど、例えば沖縄へ来る子どもたちへ「キャンプの楽しみ方」をプレゼンするならどうだろう?
そう問えば、悠輔は「どうですかね…」と笑いながら、それでも、こんなふうに教えてくれた。
「僕自身、子どもの頃にプロ野球のキャンプを見たことがないので分からないんですけど…でも、素直に感じてくれたらいいんじゃないですかね。まず、その子が野球を好きかどうかですけど、好きだと思ったら興味をもって見ると思うので…。結局、楽しい時って時間がアッという間に過ぎるじゃないですか。そういうふうに感じてくれるのが一番じゃないですか?ああ、もう練習終わりなんだ?みたいな…」
何か特別にこれを目的に楽しんで…というのではなく、選手のひたむきな練習を見つめ、素直に心打たれれば、きっと時間を忘れるだろうし、そうなれば選手も本望だと。
そうなんだよな。結局「楽しいかどうか。夢中になれるほどおもしろいかどうか」って理屈じゃないんだよな。
阪神の公式ファンクラブ会員が過去最多を更新したと聞いたけれど、「藤川阪神の試合を見たい」虎党の拡大は止まない。甲子園の年間指定席が昨季初完売したことで今季は初めて「抽選申し込み」の形式で新規募集したところ、残念ながら大半が落選。実数非公表ながら半端ない倍率だったという。
「おもしろいなと言われるチームを作りにいきます」-藤川球児のこの言葉を楽しみに、そして僕も時間を忘れに、沖縄へ向かう。=敬称略=