西山ダディダディ♪でいこ

 【2月9日】

 西山ダディダディ♪を前川右京と野口恭佑が口ずさんでいた。阪神の公式インスタライブである。ライブショップでバケットハットなど限定グッズを紹介していたが、これがノリノリ。

 毎日選手が2人1組で登場するキャンプ中の配信企画だが、ライブ視聴の虎党からは「過去イチおもろい」「M-1出ますか?」など大ウケだった。

 智辯時代に縁あって交流をもつようになった右京とはいつも真面目な野球トークしかしないのでワチャワチャの一面も見られてよかった。

 というか西山ダディダディって何?

 昭和の記者には着いていけない六本木発の「コール芸」だけど、海外のティックトッカーが振り付け動画を投稿したことで今や世界を席巻している。

 どすこい、わっしょい、ピーポーピーポー…。よう分からんけど、右京も野口も愉しそうだ。「笑い」は最高のセルフケアであることが科学的に実証されている。西山ダディでも何でも、キャンプの疲れを癒やして欲しいし、彼らはオンとオフの自覚がしっかりあるので見ていて気持ちがいい。

 「去年一年間、経験を積んですごく良くなったよな」

 こちらダディではない、本紙評論家の西山秀二が宜野座の隣席で右京を褒めていた。確かに、この2日間、レギュラーを目指す21歳の右京と24歳の野口が紅白戦でいいものを見せている。

 また、この日は中軸の佐藤輝明が畠世周から一発を放てば、西山は「明日のデイリーの1面決まりやん」とエビス顔。が、一方でこんなことも…。

 「紅白戦ってバッテリーはやりにくいんよ。味方に当てられへんからな」

 カープで正捕手だった西山は若い頃の紅白戦で「もっとインコースを投げさせろ」とコーチから叱責されて苛立ったことがある。とくに若い投手が主力に当てればメンタルがキツくなる。だから「紅白戦は嫌だった」そうだ。

 分かる。でも、攻めの姿勢が要る。難しい立場だが、それだけの精神力と制球を身につけるしかない。

 メンタルが気になる投手がいた。

 紅白戦の第1戦で2イニング7被安打、5失点した石黒佑弥だ。この日はブルペンで投手コーチ金村暁と長い時間をかけてコミュニケーションを取りいわゆる「壁」の作り方などフォームの指南を受けていた。金村の諭し方が分かりやすく、うまいのだろう。2年目の右腕はときに笑みを浮かべ、向上心が乾いたスポンジ状態になっている様子が手に取るように伝わってきた。

 新人イヤーの昨年から見守ってきたファーム投手コーチ江草仁貴は言う。 「状態がいいと聞いていたので楽しみにしていたんですけど、ああなってしまった時に深みにはまっちゃいましたね。でも、いいんじゃないですか。いきなり落ちて、もう上がるだけなので…。性格?一見緩い感じはしますけど、芯はしっかりしている投手です」 上がるだけ…。いい言葉だ。

 昨季は新人で唯一1軍を経験した有望株。性根もプロ向きと聞く。こんなときこそ笑って。ダディダディ♪=敬称略=

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