松村邦洋からのブルブルで

 【3月23日】

 ブルブル…。タレント松村邦洋から電話があった。大阪環状線で京セラドームへ向かう車中である。「ライオンズを見に行ってきます」。西武対DeNAの観戦で所沢へ向かうという。

 お目当ては?

 「児玉亮涼選手と知り合いで…」

 ほう…。前回WBCの後、骨折した源田壮亮の穴を埋めた遊撃手だ。

 西武の遊撃手といえば、今年は混沌としている。頼みの源田が太ももを痛めてしまい、監督の西口文也は開幕ギリギリまで思案するそうだけど、こういうときにチームを預かる者は「底上げ」の大切さを痛感するのだろう。

 獅子はともかく、虎の遊撃争いはどうか。開幕前ラストの3連戦は3試合ともスタメンの名前が違った。1戦目は高寺望夢。2戦目が木浪聖也。そして、この日が小幡竜平。藤川球児の用兵にはもちろん根拠があると思う。推しのファンにとっては開幕前にヤキモキするかもしれないけれど、指揮官の脳内にはレギュラーシーズンで勝つ為の最善策しかないわけだ。

 さて、松村も気になる藤川阪神のオープン戦ラストゲームは1-2。オリックスに競り負けたかっこうだが、いや、プレシーズンの勝敗に関心は向かない。それよりも藤川阪神の「スキーム」はどんな具合だろう。

 試合後の会見で球児に聞いてみた。昨秋のキャンプで描いた「底上げの青写真」はここまで想定通りかどうか。

 「ファーム組織から含めて、やらなければいけないことはあるとは思います。『勝てばいい』というのはもちろんあると思うんですけど、もう一回、平田ファーム監督と球団とも話をしながら…」

 「とにかく個人の力を引き上げる」

 就任間もない秋の安芸で球児はそう語っていた。「底上げ」に心血を注いできたが一朝一夕にはいかない。それでも、今ベンチ入りしている顔ぶれを見れば昨年にない新風を僕は感じる。

 この週末、ナゴヤ球場へウエスタンリーグを見に行った。「底上げ」の現在地を知りたかったからである。西勇輝が先発した土曜の中日戦はその初回に遊撃を守る山田脩也が三遊間のゴロをはじいた。現地でノックを見れば、グラウンドが相当硬かったことが分かるし、エラーの場面も直前にイレギュラーしていた。山田はエクスキューズ不要の選手だと聞く。これを機に彼は更に練習を重ねるだろう。2号本塁打を放つなど成長株の新星が台頭すれば二遊間は更に層が厚くなりそうだ。

 今年のタイガース、どうでしょう?

 松村に聞けば「前川、木浪の6、7番」をキーに挙げた。オープン戦打率・391…結果を残した木浪が遊撃の軸になると松村は考えているようだ。

 いよいよ開幕へ向かう藤川阪神への大いなる期待を書けば、ゆくゆくは遊撃に限らず全体の底上げによって同じ力量のチームが2つ作れるくらいになれば…。さすがに難しい?いやいや、あくまでも「底上げ」の理想は高くである。「組織作りはテーマ」と語った球児の戦いは間もなく。=敬称略=

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