「甦る」のは困るかも…

 【10月7日】

 藤浪晋太郎と会った。というか、会いに来た。横浜や甲子園では大勢のメディアに囲まれるのでなかなか近寄れない。ここなら少しは落ち着いて話せるか…そんな勝手な算段である。

 「あれ?担当変わったんですか?」

 いや、変わってないよ。純粋にフェニックスリーグを見たくて…。 

 宮崎県日南市の天福球場、そのエントランスで再会できた。

 あらためてだけど、海の向こう、どうだった?

 「めちゃめちゃ良かったですし、楽しかったですよ。いろいろ経験できましたしね…」

 そんなやりとりを長々書きたいところだけど、遠路宮崎まで来たからにはCSの想定も書かなければ…。

 この日観たのはカープ対DeNAである。両軍の熱心なファンが朝から日南まで駆けつけ練習に没頭する若手を…いや、ベイスターズにはなかなか豪華なメンバーがいる。

 藤浪、そして、牧秀悟や山崎康晃…故障明けなど、各々の事情で南国の教育リーグに参戦しているようだけど、

阪神目線でいえば、ここにいるメンバーの調整こそ気になる。

 2カ月ぶりに実戦復帰した牧の動きを見ていると、まったくプレーに支障がなさそうだ。4打席に立って二塁の守備にも就いた。できれば、もう少しゆっくりやってもらいたいんだけど…目の前で見る限り、どうやらCSに間に合いそうな感じがする。

 投手陣でいえば、山崎康、中川颯、吉野光樹…彼らはCSの出場登録メンバー入りを見据えていると聞く。ではこの日登板がなかった晋太郎はどんな想定で宮崎へ来ているのか。

 DeNAの先発陣はA・ケイ、A・ジャクソン、東克樹、竹田祐…彼らが軸になりそうだが、短期決戦の戦い方をよく知る…というか、それに半端なく長ける軍はブルペンに厚みを増す為の手だてを練っている。

 中継ぎがメインになりそうなT・バウアー、そして、石田裕太郎、平良拳太郎。ここに藤浪晋太郎も加わるか…先発も救援もできるこの戦力がうまくピーキングし、当意即妙にフル回転すれば、昨秋の勢いがフラッシュバックして嫌な感じがしないでもない。

 もうひとつの敵陣に目を向ければ、巨人はCSファーストステージの第2戦に先発する戸郷翔征がこのリーグの開幕戦で調整登板するなど、シーズン3位からの下克上を虎視眈々と狙う。

 DeNAと巨人、どっちが与し易いか?いや、できればこの秋に急に元気にならないほうとやりたい。

 ところで…NPB12球団、独立リーグ、韓国プロ野球など計18チームが宮崎に集うフェニックス・リーグは、なぜ、その名がついたのか。宮崎県の県木フェニックス(カナリーヤシ)からその名を取った教育リーグだけど、調べてみると、元来この樹木は病害虫に強く寿命が長いためフェニックスと名づけられたそうだ。ここで甦られたらちょっと厄介な面々を見てしまったけれど…きょうは虎の不死鳥に逢いにいこうと思う。=敬称略=

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