味も値段もSG級!うまい!安い! 大阪・京橋の立ち呑み処「でんいち」

元気なお客さんに囲まれる「でんいち」の花本崇文店長(中央)
名物「でかうまチューリップ」
2枚

 おやじ天国の大阪・京橋にボートレースファンが集う店があると聞き、突撃取材してみた。立ち飲み店「でんいち」がそれ。人当たりのいい店主と常連客が全国24場制覇を目指し「京橋競艇クラブ」を結成したという。もちろん、メニューの味、値段とも◎。激戦区の中でも“SG級”の名店だ。

 京橋はやっぱり、ええとこだった。CMで慣れ親しんだあのグランシャトーを右に折れてすぐ。妖しげな大人の誘惑を振り切り、奥まったところに、その店はあった。

 店名の「でんいち」には「電車1本待つ間に1杯飲んで帰っては」という思いが込められている。オープンしたのは12年前。2年前に立ち退きとなり、いまの場所に移った。

 切り盛りするのは店主の花本崇文さん(40)と高校の同級生の高橋孝史さん(40)。花本さんはリコーの伝説的営業マンだったそうでなるほど人当たりがいい。しかもノリも良く、ボートレース好きの常連客らと「京橋競艇クラブ」を立ち上げた。会長の戸川幹夫さん(68)が言う。

 「このクラブができたんは5年ほど前。メンバーはいま12人ほどかな。みんな仕事はばらばら。年齢も40から68まで大阪を中心に名古屋や横浜の人もおる。女性はいまは2人かな。私が最年長。だから会長やらしてもろてまんねん」

 この会の目標は全24場制覇。これまで鳴門、三国、びわこ、芦屋、蒲郡、津へ旅打ち、三国ではバックヤードツアーに参加しボートの調整法などを見学した。現地では特別観覧席や来賓席などで観戦し、個々人で舟券を購入するのがパターン。ときにはメンバー全員でお金を出し合い、運良く当たれば旅費や宴会の足しにするという。

 「次は児島か丸亀。平和島も早う行きたい。その前に尼崎か住之江。わがままな人やのうたらだれでも参加OKですよ」

 もちろん、ボートレース仲間が集うのは、この店に魅力があればこそ。店内は活気に満ち、女性客もちらほら。何よりメニューが豊富でアサヒスーパードライの生ビール(420円)が2杯目から380円になるのもうれしい。なかでもイチオシは名物「でかうまチューリップ」(250円)だ。その名の通り花の部分が大きな骨付き鶏。外はサクッと、中はジューシー。カレーパウダーを付けると、一段と香ばしい。

 花本さんが勧めてくれた「とろろ焼き」(300円)がこれまた絶品。ホクホクしていて、ペロリと平らげてしまった。月、水、金は「鶏の生レバー」(250円)も出しており「これも名物です」とのことだった。

 「いまはだれが一番強い?やっぱ峰か」「篠崎元志のターンが好きやったけど、ケガしてからもうひとつ」「信用できるのはやっぱり石野。石野信用金庫や」「松井は最近、若いヤツになめられとるんと違うか」「いや、心配したけど。だいぶようなっとる」

 果てることのないボートレース談議。京橋の夜は更けていき、電車1本どころか何十本も見送ることになったのは言うまでもない。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

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