オリックス【きょうは何の日】1996年、ニール、パ・タイ3本目サヨナラ弾

 「オリックス4-2ロッテ」(1996年9月8日、グリーンスタジアム神戸)

 延長十一回1死一塁。トロイ・ニールは苦手の左腕・河本育之からバックスクリーン右、スタンド中段に突き刺さるサヨナラの31号2ラン。感触をかみしめるようにゆっくりとベース一周。ホームではナインの手荒な歓迎を受けた。

 「やっと河本を打てたよ。毎日、大事な試合をやっているのでなんとかしたいと思っていたんだ」

 八回2死一塁で三振に倒れ、昨年からの対戦成績は13打数2安打となっていた。パ・リーグ最多タイとなる今季3本目の劇弾はこれまでのうっぷんを晴らす一発となった。

 日本ハムとのデッドヒートが続く中、助っ人のバットはたくましさを増している。

 七回に先制二塁打を放ち、打点は108となった。本塁打と合わせて2冠は独走状態に入っている。

 「タイトルは意識していないよ。打点は一人の力では挙げられないんだから。でも広いグリーンスタジアム神戸を本拠地として本塁打王を取れたら、それは価値のあることだね」

 昨年は日本シリーズの怠慢なプレーが怒りを買い、解雇の声が上がったこともあったが、今季の活躍に誰も文句の付けようがない。

 「来年も日本でプレーしたいと思っている。異文化の中で生活することを家族も楽しんでいる」

 仰木彬監督は「きょうは連勝が止まりそうな展開だったけど、日替わりヒーローが出るなあ」と6連勝へと導いた頼れる助っ人に目を細めていた。

 当日のスタメンは次の通り。

(7)田口 壮

(6)大島公一

(9)イチロー

(3)高橋 智

(D)トロイ・ニール

(5)馬場敏史

(4)福良淳一

(8)本西厚博

(2)高田 誠

(P)豊田次郎

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