「ヤクルト１６－６巨人」（２４日、神宮球場）

　背番号「２７」が、神宮によく映える。本拠地に強く吹いた風が背中を押した。ヤクルト・中村がプロ１４年目で初めてとなる２打席連続アーチ。「風にも助けられて、ビッグイニングを作ることができた」。打てる捕手の復活が首位快走を加速させる。

　初回にまずは１点を先制し、なおも２死一、二塁。好機に中村が迷わず初球スライダーを振り抜いた。「１点でも多く」と、巨人のエース・菅野を打ち砕く今季１号３ラン。三回にも２号２ランで続き、４安打、自己最多タイ５打点の大暴れ。

　最高の味方が、そっと力をくれたのかもしれない。今季は１打席目の登場曲に、ＹＯＡＳＯＢＩの「ツバメ」を選曲。中村は「あれは子供が本当に好きな曲で」と説明すると、「流してほしいってリクエストがあったので」とはにかんだ。またヤクルトとツバメに「縁」も感じ、その曲直後の今季１号が１６得点爆勝の“ＧＯ砲”となった。

　「（菅野とは）対戦成績が自分でも悪いなと思っていて、でも今日を含めてこれから何度も対戦していくわけで、思い切ったことをしないと、結果って出ないのかな」とは中村。失敗を恐れず挑戦し、これで２位・巨人とは１１差になった。突き進む連覇への道。その中心には、背番号「２７」の正捕手がどっしりと座る。