東大出身元プロ野球選手の高松西・松家監督が5回コールドで初勝利「できすぎでした」

試合に勝利して校歌を聴く選手たちを見つめる高松西・松家卓弘監督(後列中央)
選手に指示を送る高松西・松家卓弘監督(中央)
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 「高校野球香川大会・2回戦、高松西11-0高松東」(13日、レクザムスタジアム)

 元横浜(現DeNA)、日本ハムでプレーした松家卓弘監督(39)が率いる高松西の打線が爆発し、大差で5回コールド勝ち。昨秋から監督に就任した松家監督にとって自身初勝利、そして東大出身プロ野球選手の高校野球監督としても初めての勝利となった。

 「できすぎでしたけど、この子たちに校歌を歌わせることができました」。大差の試合後、松家監督は自身の初勝利よりも、まずチームが勝ったことを喜び、盛り上がる選手たちを少しだけ笑いながら見つめた。

 初回先頭打者から4連打を放つなど、打線がつながり、14安打11点を奪って大勝したが、アクシデントもあった。試合前ノック、主将の越智巧武内野手(3年)の顔面にボールが直撃し、救急搬送された。精神的主柱が欠場するアクシデントに見舞われる中、選手たちは結束。4回無安打無失点に抑えたエース・田窪大河投手(3年)は「ここでは終われん、と。越智と一緒に戦いたいという思いがチーム全体に生まれた」と、強い決意で試合に臨んだ。

 松家監督は昨夏の大会後に部長から監督に就任。過剰な指導はせず「自由に、自分たちの好きなようにやらせている部分が大きい」と、選手たちに責任感を持って練習するよう指導してきた。しかし、秋、春ともに初戦敗退。このままでいいのか悩んだこともあったという。

 だが、春の敗戦以降、選手たちが自ら変わっていった。選手の要望でフリー打撃中に流していた音楽はいつのまにかなくなった。この日の三回に公式戦初本塁打を放った多田海輝外野手(3年)は「なんとなく練習するんじゃなくて、自分の弱点、できないことを考えて練習するようになった」と、練習の質を高めていったという。敗戦の悔しさから手に入れた価値ある1勝だ。

 次戦は第4シードの丸亀城西を破った高松北と激突。松家監督にとって、高松高校時代の恩師でもある秦敏博監督(60)との“師弟対決”でもある。「きょう勝って選手が舞い上がっていたので、もう一回ちゃんとやろう、と」。目標に掲げた「県4強」を成し遂げ、さらに上へいくために、指揮官は手綱を引き締めた。

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