大阪桐蔭・川原 甲子園初完封 ねじ伏せた!球審からフォーム注意「逆によかった」

 「全国高校野球選手権・3回戦、大阪桐蔭4-0二松学舎大付」(16日、甲子園球場)

 通算3度目となる春夏連覇を目指す大阪桐蔭は、川原嗣貴投手(3年)が自身甲子園初完封勝利で2018年以来、4年ぶりのベスト8に導いた。18日の準々決勝は愛工大名電-仙台育英、高松商-近江、大阪桐蔭-下関国際、聖光学院-九州学院の組み合わせとなった。17日は休養日となる。

 最後までマウンドを譲るわけにはいかなかった。大阪桐蔭の背番号1を背負う者としての意地、そして覚悟を胸に投げ抜いた川原。甲子園自身初の完封勝利を飾り、静かにガッツポーズを決めた。

 「甲子園で九回を投げさせてもらったのは自信になる。苦しい場面もあったんですけど粘り強く投げられた」

 第1球を投じた直後に金丸球審から受けた注意が大きな助言となった。足を上げた際にモーションが止まっていると指摘。いきなりのフォーム修正ともなれば焦りが生まれるが、右腕は動じなかった。「スムーズに足を上げることで、逆によかったかなと思います」とプラスに捉えてゼロ行進がスタートした。

 初回からエンジンは全開だ。いきなり3三振を奪うと、その後も最速147キロの直球を軸に相手打線をねじ伏せた。最大のピンチは九回。連打で無死一、二塁としたが、後続を抑えて無失点で切り抜けて試合を締めた。

 憧れの投手は「藤浪さんです」と先輩の名前を挙げる川原。入学後、寮のテレビで春夏連覇をした12年の映像を何度も見返した。目の前の打者を力で抑え込み、エースとして頂点に導く姿。「投球スタイルに憧れています。本当のエース」と自身にとっての理想像とした。

 最速150キロを誇る別所孝亮投手(3年)やプロ注目の前田悠伍投手(2年)ら高いレベルの投手陣。その中で背番号「1」を託された。「責任と自覚をもっと持たないといけない。与えられた一戦一戦を勝つのが責任。選ばれた18人の1人でもあるので」とより気持ちを引き締めた。

 12回の出場で通算7度目となる8強入り。尊敬する藤浪も成し遂げた通算3度目となる春夏連覇に着々と近づいている。「もっともっと成長していけたらいい」と川原。強力投手陣の先頭を走る。

 ◆川原 嗣貴(かわはら・しき)2004年6月30日生まれ、18歳。大阪府出身。188センチ、85キロ。右投げ左打ち、投手。幼稚園年少時からポルテ野球クラブに入り、小学3年から千里丘イーグルス、千里丘中時代は北摂津リトルシニアに所属。大阪桐蔭では2年春の大阪府大会からベンチ入り。

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