国学院栃木・江部&石川 メンバー入りできずデータ班に転身-ぶつけた悔しさ
「全国高校野球選手権・3回戦、九州学院4-0国学院栃木」(16日、甲子園球場)
聖地には立てなかったが、自分たちができることはやり切った。
国学院栃木の柄目直人監督(39)が「ウチの肝」と話す7人のデータ班には、2人の3年生がいる。
昨秋はベンチ入りしていた江部蓮人投手(3年)は、夏のメンバー発表で自分の名前が呼ばれず、悔しさしか感じなかった。なぜだ。とことん落ち込み、考え抜いた末に「後悔を残したくなかった」とデータ班入りを申し出た。
同じく名前を呼ばれなかった石川陽理投手(3年)も志願してデータ班入り。1、2年時にも活動していたこともあり「絶対、自分にできることがある」と、チームに貢献する道を選んだ。
2回戦の智弁和歌山戦では強打者・武元一輝投手(3年)に対し、データ班が打球方向を分析した結果、一、二塁間を極端に狭める大胆なシフトを敷いた。狙い通り、二塁ベース後方で守っていた遊撃手がゴロをさばいてアウト。優勝候補を破った陰にはデータ班の貢献があった。
メンバーと同宿し、日々の練習を補助しながら、それ以外の時間はほぼデータ分析。指揮官は「悔しい思いもした中でチームのためにやってくれた。本当に感謝している」と最大級の賛辞を贈る。
「メンバーに入れなかった悔しさをデータに全部ぶつけました」と江部。試合間隔が詰まり、睡眠時間は選手たちより断然短い。目の下にできたくまは2人の勲章だ。