聖光学院・佐山は涙「打席回らなければあと12球投げると言われていた」 球数制限直前で降板
「全国高校野球選手権・準決勝、仙台育英18-4聖光学院」(20日、甲子園球場)
聖光学院は序盤の大量失点が響き、福島県勢として磐城以来51年ぶりの決勝進出はならなかった。アルプススタンドへのあいさつを終えたナインはほとんどが号泣。観客の拍手が響く中、膝に手をついてしばらく動けない選手もいた。
二回途中からマウンドに上がったエース・佐山未来投手(3年)は130球を投げた後の六回で降板。直前の打席で代打が出て、球数制限の500球まであと12球を残して降りた。
「あの回は打席が回って来なかったらあと12球投げるぞと言われていた」と明かし、「その時に(捕手の)山浅が来て『お前と現役でやっていくのは最後だな。長かったけどありがとう』と言われた。山浅に苦労ばかりかけてきたが、ありがとうという気持ちがこみ上げてきて、思わず涙が出てきた」と、試合後も涙がとまらなかった。「その言葉で涙が出て、何も言葉をかけることはできなかった」とベンチで号泣したという。
2021年から投手の体調維持のため球数制限が設けられており、1週間で500球までしか投げることはできない。佐山は14日・横浜戦で119球、16日・敦賀気比戦で107球、18日は九州学院戦で132球を投げ、この日130球で計488球だった。