来季のセ・リーグも「監督力勝負になる」評論家が分析 岡田監督の「こっちがうまいこと」発言「なかなか言えない」
来季のセ・リーグの覇権はどこが手にするのか-。年内の戦力補強が終了したタイミングで、阪神、広島、オリックスでコーチを歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏が分析した。
中日は巨人から4番候補として中田翔を獲得。さらに阪神から戦力外となった山本らを獲得するなど、立浪政権3年目へ向けて血の入れ替えを断行した。巨人は投手陣の整備をメインとし、阪神から現役ドラフトで馬場、さらにK・ケラーを獲得。他球団は外国人選手を補強などでウイークポイントを埋めた形だ。
ただFAなどチームの空気をガラッと変えるような補強ではなかったこともあり、岡氏は「来年も監督力の勝負になるんじゃないかな。監督の人間力というかね。精神的な部分でどれだけチームを引っ張って行けるか。そこが大きなポイントになるんじゃないか」と分析する。
今季は再登板した阪神・岡田監督が1年目で18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一へと導いた。話題となったのが監督の采配力。勝負どころでふるったタクトがズバズバとはまり、選手たちも「驚くような采配がズバッとはまる」と口にしたほど、岡田野球に陶酔。これが選手とベンチの強固な信頼関係となって、ペナントレース&短期決戦を勝ち抜いた。
「岡田監督が来年に向けて『あとは自分の成績をもっと上げていくというかな、選手はそれだけでええと思うよ。あとはこっちがうまいことやってあげるだけやんか』と言ってたでしょ。今、なかなかそんなことまで言える監督はいない」と指摘した岡氏。「大きな補強はないけど、戦力は豊富だし、まだまだ野手にも伸びしろがある。そこに手応えを感じているんじゃないか」と評する。
また就任1年目で2位をつかみ、夏場まで阪神と好勝負を繰り広げた広島は新井監督の采配力に着目。「新井監督は選手起用にしても『100%ベンチの責任』というスタイルでやっていた。すると選手は思いきってやれる、ベンチが責任をとってくれるから伸び伸びやれる。それが見えた1年目だったと思う。しっかりと決めて使うことで選手に迷いがなく、夏場に勢いが生まれた」と分析した。
来季に向けて「戦力という部分で西川が抜けたというところはあるんだけど、新井監督のスタイルで若手が伸びてくる可能性は十分にある。そこにベテランの力が加わるとね。非常に面白いチームになるんじゃないか。監督の人間力というところになってくるよね」と評した岡氏。就任4年目を迎えるDeNA・三浦監督、同3年目を迎える中日・立浪監督は「チームの空気をどれだけ変えることができるかがポイントになる。中日にしても強い投手陣、DeNAは強力な野手陣と戦力はあるわけだから」と指摘した。
今オフはブルペン陣の整備に注力した巨人・阿部監督、捲土重来を期すヤクルト・高津監督。指揮官のタクトに注目が集まる2024年シーズンになりそうだ。
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