健大高崎・下重 涙の136球完投星!10回1失点で明徳義塾撃破 石垣“代役”で序盤緊張も後半本来の投球「取り戻せた」

 「選抜高校野球・1回戦、健大高崎3-1明徳義塾」(18日、甲子園球場)

 開幕し、1回戦3試合が行われた。大会連覇を狙う健大高崎が明徳義塾を延長10回タイブレークの末に撃破。エースの最速158キロ右腕・石垣元気投手(3年)が左脇腹の故障で万全ではない中、背番号「10」の左腕・下重賢慎投手(3年)が10回136球の熱投で1失点完投勝利を挙げた。二松学舎大付は3-2で柳ケ浦との接戦を制し、花巻東は10-2で米子松蔭に快勝した。

 試合終盤に降った雨のせいではない。下重の目には光るものがあった。こみ上げるものを抑えるように明かした本音。「ずっと自分で抑えられるか不安で怖かった。ホッとして、仲間の笑顔も見られたのでうれしくて…」。成長著しい左腕がチームの窮地を救った。

 「序盤は緊張もあって力んでしまったんですけど、後半になって自分の投球を取り戻せた。逃げ球をコントロールできるように修正しました」

 五回までは5四球を与えるなど苦しい投球が続いたが、冷静に自己分析し六回以降は修正。今冬に習得したスクリューボールやフォークも駆使し、試合巧者の明徳義塾に的を絞らせなかった。

 10回を投げ切り1失点完投。マウンドを降りるわけにはいかない理由があった。昨春V腕の佐藤龍月投手(3年)がトミー・ジョン手術を受け打者に集中している中、背番号1の石垣が13日の練習試合で左脇腹を負傷。「監督に言われなくても『先発で行きたいです』と言うつもりだった。石垣は状態が良くなかったので、どうしても投げさせたくなかった」と大役を最高の形で全うした。

 石垣は同郷で中学時代に北海道選抜で同部屋だった縁もある。「石垣からは『きょうのお前なら抑えられる』と言われた。いっぱい注目されていてプレッシャーもあると思うので、少しでも自分が和らげる投球ができるように」。仲間の思いも背負い、連覇への挑戦をけん引する。

 ◆下重 賢慎(しもしげ・けんしん)2007年9月13日生まれ、17歳。北海道釧路市出身。182センチ、87キロ。投手。左投げ左打ち。小学3年で野球を始め、美原中では釧路リトルシニアに所属。健大高崎では2年春からベンチ入りし、夏の甲子園は背番号「10」。最速142キロ。50メートル走6秒4。

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