侍・森下センター挑戦 阪神にもメリット「臨機応変」に対応できる選手に 侍ジャパン強化合宿スタート
「侍ジャパン強化合宿」(6日、宮崎)
「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本-韓国」(15、16日・東京ドーム)に向けた侍ジャパンの強化合宿が6日、宮崎のひなたサンマリンスタジアム宮崎で始動し、阪神の森下翔太外野手(25)が中堅でも起用されることになった。来年3月のWBCはもちろん、阪神でも来季以降のオプションが増える可能性がある。侍ジャパンの井端弘和監督(50)は藤川球児監督(45)にも了承を得ており、本人も意欲的に初日から新たなポジションで元気に動き回った。
気温は20度を超え、グラウンドを太陽がさんさんと照りつける。お天道さまも合宿初日を待ちわびていたようだが、森下も負けじと全力プレーで駆け回った。午前中に行われた、初のシートノック。グラブを持って向かったのは、いつもの右翼ではなく中堅だった。
軽快に動き、本塁にはノーバウンドでのレーザービーム。周りの選手やスタッフが思わず、「おぉ」と声を漏らすほどの強肩を披露した。公式戦では23年に6試合しか経験のないセンター守備。井端監督や亀井外野守備走塁コーチから、この日までに打診された。
「センターはかなり久しぶりでしたけど、自分の中でも動けた。まだやり始めなので何とも言えないですけど、『自分はどこでも守れます』ということは伝えたいです」
来年3月のWBCに向けて起用の幅が広がるのはもちろんのこと、来季以降の阪神でも新たなオプションが誕生する可能性がある。ドラフト1位の立石(創価大)は二塁や三塁など内野が本職。正三塁手の佐藤輝は今季右翼を26試合、左翼を1試合守った。23年には近本の故障があったように、不測の事態やコンバートも含めて、多くのバリエーションが生まれる。
「(阪神に戻っても)ライトだけしか守れないという選手より、3ポジションを守れる選手の方が絶対に使いやすいと思う。臨機応変に対応できるような選手になりたいなと思ってます」
フリー打撃で35スイングした後は、中堅で打球捕。一流選手の打球を必死に追いかけ、慣れないポジションでの練習に時間を費やした。「守備範囲が広くなるので、その感覚はもう少しやってみないとわからないです」と課題を自ら設定した。
「近い将来、日本の中軸を打つ打者になってほしい」という井端監督の期待の表れでもある。藤川監督には承諾を得て、森下の中堅起用を打診した。「複数ポジション(を守れる)となれば、すごくありがたい」と今後は実戦でも試す考えを明かした。
日の丸を背負っての新たな挑戦。森下は期待されればされるほど燃える。「最終的には、世界一を目指して戦うメンバーの一員になっていればいいなと思います」。センター・森下が世界の大舞台や甲子園でアナウンスされる日は、そう遠くなさそうだ。





