阪神を上回る12安打を放ちながら勝てないDeNA 藤田平「野球の差がハッキリと出た試合だった」

 「DeNA3-5阪神」(23日、横浜スタジアム)

 阪神は同点で迎えた九回2死二、三塁から森下翔太外野手(26)の右前2点適時打で勝ち越し、接戦にケリをつけた。巨人とのゲーム差は3・5。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は、先制本塁打と決勝打を放った森下の成長ぶりに感心する一方で「優勝を狙えるチームと勝ち越せないチームとの違い」を指摘。随所に見られた“野球の差”について語った。

   ◇   ◇

 初回、森下が先制のホームランを打ったが、外角を狙った変化球が少し浮いて中へ入っただけ。それを完璧に捉えたものだ。その初球、石田裕は内角へ直球を投げている。この時点で森下は“次は外の変化球”を想定していたのかもしれない。そこへ予想どおりのボールが来たのだろう。

 外角の甘い変化球は今や森下の長打ゾーンとなっている。内角を意識させて外角。この攻め方で何度も死球を受けているが、森下は逃げるのがうまくないこともあってぶつかってしまう。その場でクルっと回転するだけだからね。

 ただ防具をつけていることもあり、死球を怖がるところがない。だから“次の外角”を狙いにいける。この打席のホームランは完全に森下の読み勝ちだった。

 試合を決めた一打は外角一辺倒の攻めに対して“目慣れ”していたのだろう。内角へは来ないという判断もあったはず。最後の1球だけが直球だったが、強引にいかずにうまくライトへ打ち返した。佐藤輝(4安打)と2人で8安打なのだから見事としか言いようがない。

 中軸の2人にこれだけ打たれてはさすがにDeNAに勝ち目はないか。いや、そんなことはないと思ったね。試合の運び方によっては、また違った展開になっていた可能性はある。

 まずは2点をリードされて迎えた四回の2死満塁だ。勝又の投ゴロを高橋が一塁のベース手前で処理し損ねてDeNAに1点が入った。

 高橋が打者走者と交錯するアクシデントがあったことで、このあと少し中断したが、さらに残った満塁機は8番打者の古市が初球を打って三ゴロに倒れ、追加点機を逃した。

 ここは代打で早めの勝負をかける必要があったのではないか。前の打席でヒットを打っているとはいえ、右前へのポテンヒット。2点差から1点差に迫った勢いを消さないためにもね。

 さらに五回裏の攻撃。先頭の石田裕をそのまま打たせて凡打となった。ここは五回で見切りをつけるべきではなかったか。その後、牧と筒香に長短打が出たが、2死からでは得点するのが難しかった。

 結局、石田は六回に3点目を失ってから降板したが、交代機が遅れたように感じた。前日は雨天中止、翌日は移動日なのだから積極リレーが可能だったはず。

 選手のプレーにも“俺が俺が”という気持ちばかり目につき、つながりというよりもバラバラに野球をしているように見えた。

 八回は1死二、三塁の好機に松尾がカウント3-1から外角の難しいボール気味の球に手を出して内野ゴロ。苦しんでいる湯浅を助ける形になった。

 投手が岩崎に代わり、度会の右前打で同点にしたのはよかったが、前の打席で本塁打している牧が強引に思えるスイングで三邪飛。もう1点が取れない。

 阪神は三回、大山が“1点どうぞ”の守備隊形に合わせて二ゴロで簡単に1点を加えている。六回は伏見の右狙いの打撃で3点目を奪った。これらはチームやつながりを意識したプレーだと言える。

 阪神を上回る12安打を放ちながら勝てない。勝てるだけのチャンスがあったのに生かし切れない。そこにチームの差を感じざるを得ない。DeNAサイドに立てば、本当に惜しい試合だった。

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