広島・宇草 思い出の神宮で決勝2号2ラン! カープ4連勝5割復帰導いた 新井監督絶賛「値千金の最高の本塁打」

 7回、先制2ランを放ちナインとタッチする宇草(中央)=撮影・園田高夫
 ガッツポーズをする宇草(撮影・園田高夫)
 7回、先制2ランを放った宇草(撮影・園田高夫)
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 「ヤクルト0-2広島」(23日、神宮球場)

 勢いが止まらないんじゃ!広島・宇草孔基外野手(27)が、0-0の七回に今季2号となる決勝2ランを右翼スタンドにたたき込み、試合を決めた。昨季は1軍出場なしに終わり、悔しい1年に。今季に懸ける強い思いがバットに乗り移った。貴重な一発に新井貴浩監督(47)も手放しで絶賛。チームは今季最長の4連勝&5割復帰を果たし、さらに波に乗っていく。

 コンパクトに振り抜いた打球が右翼スタンドに消えた。宇草は放物線を見届けると、完璧な感触が残った右手でバットを放り投げた。ダイヤモンドを1周し、ベンチ総出で迎えられるとようやく笑みがこぼれた。

 「床田さんがすごく良い投球を続けてくれていた。後ろにも良い打者がたくさんいるので、なんとかつなごうと思って打席に入りました」

 両軍無得点の七回2死一塁。カウント2-2から吉村の甘く入った直球を一閃(いっせん)。「絶対フォークだと思ったんですけど、うまく反応できました」と右翼・丸山和が2、3歩動いただけで打球を追うのをやめるほど、強烈な一撃だった。

 開幕は2軍スタートも、9日に2年ぶりの1軍昇格。20日の巨人戦(マツダ)では代打で1号ソロを放つなど、ここまで勝負強い打撃が目立つ。「使っていただいてとてもうれしいですし、意気に感じて絶対結果を残してやろうと、準備しています」と1打席に懸ける思いが原動力になっている。

 キャンプから今季への思いが人一倍にじみ出ていた。2月12日の1軍キャンプ。この日限定で2軍から参加した宇草は、シート打撃で2安打を放つ猛アピール。練習後、泥まみれのユニホームで言い切った。「全部ひっくり返すつもりでやる」。結果的に2軍へ再合流となったが、その後も腐らずにバットを振り込んでいた。

 この日は常総学院時代の恩師である佐々木前監督を試合に招待。「来てくださいって初めて自分から言いました。いつまで野球ができるか分からないので」。後がない崖っぷちの状態と自分を追い込み、日々努力を怠らないのが宇草の武器だ。

 新井監督もチームを救った一打を「追い込まれた中で値千金の最高の本塁打を打ってくれた」と興奮気味に絶賛。「フリー打撃を見ていても、打球の強さが出てきているし、逆方向にも強い打球が打てている。本人も感覚的にいいものをつかみかけている」と目を細めた。

 ヒーローインタビュー後には、法大時代から活躍してきた神宮の、鯉党からの「宇草コール」に笑顔で応えた。「気を緩めずに明日も頑張ります」と汗を拭った宇草。伏兵とは言わせない。もがき苦しんだ背番号38が主役に躍り出た。

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