広島・大瀬良 戸郷フォーク試投!「丸さんに感謝」 カットボール極意と交換「巨人に送り込んだスパイなので(笑)」
「広島春季キャンプ」(4日、日南)
丸っといただき!広島の大瀬良大地投手(33)が4日、かつてのチームメートでもある巨人・丸佳浩外野手(35)から聞き出した“戸郷フォーク”を試投した。昨年の球宴で丸に伝えた自身のカットボールの極意を、巨人・戸郷が試している記事を目にして、丸に“見返り”を要求。「丸さんに感謝です」と笑みを浮かべた。
朝のウオーミングアップ前から大瀬良は笑顔をふりまいていた。ボールを指で挟んで同僚たちに見せると、キャッチボールではフォークを約10球投じた。1球ごとに球筋を確認していたのは教えてもらったばかりの新感覚を試していたから。「投げ始めだからまだ分からない」と前置きした上で「引き出しにはもちろんなる」と収穫を得た。
巨人・丸を介して、カープと巨人のエースが変化球を“物々交換”した。発端は昨年7月の球宴でのこと。大瀬良は丸に「どう投げているの?」と聞かれて、自身の得意球であるカットボールの極意を教えていた。その後、丸が遊びで投げていた“大瀬良カット”の鋭い曲がりに戸郷が着目。感覚を教えてもらった戸郷は今キャンプで新球として習得に励んでいる。
その事実を記事で目にした大瀬良は丸に即電話した。「(自分のカットボールの極意が)戸郷くんの耳にまで行ったらしいので、『じゃあ教えてよ』と連絡したんです」。先輩に対して強気に“見返り”を要求。すると、丸からは「そんなのとっくの昔にリサーチ済みやで」と返され、戸郷の得意球であるフォークの極意を教えられた。
大瀬良自身もフォークを投げている中で、“戸郷フォーク”の極意は「挟みすぎないこと」と「リリースは後ろ」の2点。5日のブルペン投球でも試す予定で、「今その感覚が全く分からなくても練習していって、『これか!』というのが出てくると思う。今使えるかは置いておいて、引き出しとして(持っておく)」とうなずいた。
知らず知らずのうちに、敵に塩を送ることになっていたが、きっちりそれ相応の見返りを得た右腕。2014年から5年間、チームメートだった丸に対しては「『俺スパイみたいになるやん』と言っていましたけど、すぐに教えてくれて。まあ僕が巨人に送り込んだスパイなので」と笑顔でジョークを飛ばした。
それもこれも「簡単に投げられたら苦労しないです。僕のカットも戸郷くんのフォークも」という前提があってこそのライバル同士による技術交流。「キャンプのネタとしては面白いでしょ?」と報道陣に投げかけた右腕からは余裕が漂っていた。