広島ドロー 新井監督「価値があると思います」天敵・中日を救援陣0封リレー ドラ3岡本を絶賛「大したもんだな」

 「中日1-1広島」(8日、ぎふしん長良川球場)

 広島は今季3度目の延長戦で初の引き分け。先発・ドミンゲスの後を受けたリリーフ陣がそろって役割を果たし、無失点リレーを完成させた。延長十二回は7番手で登板したドラフト3位・岡本駿投手(22)=甲南大=が、一打サヨナラのピンチを無失点に封じる堂々の投球。新井貴浩監督(48)は投手陣の粘りを評価し、価値あるドローと捉えた。

 三塁ベンチ前に立ち、明るい表情でハイタッチを交わした。劣勢の状況から試合を振り出しに戻し、投手陣が踏ん張って今季初の引き分け。新井監督は「ビジターで1点先制されたけど、追い付いて引き分けに持ち込めたのは、価値があると思います」と各選手の粘りをたたえた。

 同点とした直後の七回から、自慢のブルペン陣が躍動した。島内、ハーン、栗林とつなぎ、延長十回からは塹江と森浦がそれぞれ1イニングずつを無失点。そしてこの日の勝ちがなくなった延長十二回は、ルーキーの岡本を送り込んだ。

 右腕は1死から細川に左前打。犠打で得点圏に走者を背負い、代打・中田を迎えた。中田には9球目を見極められて四球を与えたが、2死一、二塁での代打・上林に対してはカットボールで空振り三振に斬った。

 岡本は「(最後のカットボールは)気合が入って曲がり過ぎてしまいました」と苦笑い。それでも「(上林のスイング軌道が)下から出てきていたので、石原さんが『カットが一番いける』とサインを出してくださった。信じて投げるだけでした」と力を振り絞って、カープファンの願いを現実に変えた。

 重圧のかかる場面をしのいだ姿に、指揮官も絶賛。「大したもんだなと思って見ていたよ。力む場面なんだけどね、“ピッチングをしているな”と見えた」と新人らしからぬマウンドさばきに目尻を下げた。

 ブルペンには経験豊富な中崎や、鈴木も控えていた。そんな中で岡本を抜てきした意図には「経験してもらいたかったし、やるだろうと思った」と自信を持って球審に岡本の名を告げた。描いたのは独特の緊張感を成長へ還元する姿。その通りの結果を披露してくれたことは、チームにとっても大きな意味があった。

 22年から3年連続で勝ち越しなし、と苦手にしていた中日との今季初対戦。1点を追う七回は小園の好走塁から好機をつくり、末包の適時内野安打で同点とした。新井監督は「小園もナイスランだし、スエ(末包)も何とか粘ってああいう形。走塁に関しても打席内でも、球際の強さが少しずつ出てきているかなと。いいゲームだったと思う」と収穫を強調した。投打とも集中力を研ぎ澄ませ、一丸で戦っていく。

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