広島・新井監督 3連戦3連勝逃すも「良い戦い、良い試合できている」5カード連続負け越しなし 頭部死球は「申し訳ない」
「阪神8-1広島」(20日、甲子園球場)
阪神相手に同一カード3連戦3連勝は逃したが、広島・新井貴浩監督(48)は「良い戦い、良い試合ができている」と、5カード連続負け越しなしという現実を前向きに受け止めた。八回には坂本への頭部死球を巡って阪神・藤川監督が激高する場面もあった一戦。次カードもこれまで通り、気持ちのこもった戦いを続けていく。
試合後のベンチ裏で新井監督からはすがすがしさすら漂った。「今日は相手の4番に全部やられたなと。やっぱり『相手をほめるしかないな』というぐらいの野球をされた」。完敗を認めつつも、5カード連続負け越しなしという事実を前向きに捉えた。
佐藤輝の力強さの前に屈した。初回は2死二塁で先発・森がバックスクリーン左横に運ばれる先制2ランを被弾。三回には右翼へ強烈なライナーでの適時二塁打を浴びた。極めつけは五回。2番手・鈴木がまたしてもバックスクリーン左横に運ばれる3ランを食らって、計6打点の荒稼ぎをされた。
3点を負う五回で佐藤輝を打席に迎えた場面は初球で一走・中野が二盗を決めて2死二、三塁となり、一塁が空いた。この日の佐藤輝の状態と左打者への被打率が高いとされる右の下手投げの鈴木がマウンドに立っていることを考えれば敬遠して、次打者・大山と勝負する選択肢もあった。ただ、指揮官は「今の時期から逃げていたらね」と力を込めた。結果的に2球目で試合を決定づけられる一発を被弾したが、シーズン全体を見据え、ファイティングポーズを崩さなかった。
これで阪神とは3勝3敗の五分。八回にはドラフト3位・岡本(甲南大)が坂本に頭部死球を当ててしまい、藤川監督が激高する場面もあった。「こっちは変化球が抜けて当ててしまったので申し訳ない。『坂本選手大丈夫かな』って思って見ていた」と新井監督。広島ベンチは冷静に対応していたが、星勘定の上では激しく火花を散らせている。
チームは4日からのDeNA3連戦(マツダ)から5カード連続負け越しなし。「良い戦い、良い試合ができている。しっかり休んで、気を引き締めて来週の戦いにいきたい」という指揮官の言葉が好調なチーム状況を物語る。次は広島に帰って22日からヤクルトとの2連戦だ。4月は7勝1敗のマツダスタジアムから進撃を再開させる。




