大阪桐蔭のえげつなさが際立った決勝 近江は山田降板が響く
「選抜高校野球・決勝、大阪桐蔭18-1近江」(31日、甲子園球場)
決勝戦は大阪桐蔭の圧倒的な強さが際立ちましたね。
打線がえげつなかったです。1984年のPL学園が記録した大会記録のチーム8本塁打を更新するどころか、2000年夏に智弁和歌山が6試合で記録した11本塁打に並びました。今大会の大阪桐蔭は4試合ですからね。すごすぎます。
ホームランを打った打者を見ると、1、2、3、5、6、7番で、4番は打っていないんですよね。でも、その4番の丸山選手が大会タイ記録の8打席連続安打をマークしていますから、投手からすれば本当に息をつく暇がない打線でした。
今日の試合でも五回に7番・星子選手が放った左前打は、右打者が引っ張ったような打球でした。下位打線の打者があんな打球を放つんですから、他のチームとは次元が違う感じがしましたね。
近江は精神的な支柱でもある主将・山田投手が先発して、三回途中で降板したのが痛かったですね。2番手・星野投手のボールと比べると、星野投手の方が球が走っていましたし、山田投手の疲れや死球を受けている左足の痛みは相当だったのでしょう。
結果論ですが、星野投手が先発で、山田投手がここという場面で継投できていたら、展開は違っていたかもしれませんね。ただ、先発したことは多賀監督と山田投手の「覚悟」ですし、この経験を夏に生かしてほしいです。近江は昨秋の公式戦を見ていると、左腕が多いイメージがありました。彼らが成長してくるとまた面白いチームになりそうですね。
大会全体を振り返ってみると、選手にも新型コロナウイルスが影響していたのかな、と感じました。
今の3年生はコロナ禍のまっただ中で入学し、成長できる時期に思うような練習ができず、成長が妨げられた影響もあるのかもしれません。投手全体では140キロが出れば「速いな」と感じたように球速だけを見ても、全体的にまだ成長しきれていないのかなと感じました。
ただ、それでも大阪桐蔭だけは仕上がりがえげつなかったですけどね。
今大会からアルプスに吹奏楽が帰ってきたことも印象的でした。30日の準決勝・大阪桐蔭-国学院久我山戦では、誕生日だった国学院久我山・鈴木選手が打席に立つと、アルプスから「Happy birthday to you」が演奏されました。
すると、大阪桐蔭のアルプスからも拍手が起きて、最後は球場全体の観衆から拍手が送られました。以前のような録音した音源を流すならできていないことですし、少しずつ以前のような甲子園が戻ってきていることはうれしく思いました。
ただ、決勝のスタンドは空席が目立ち、寂しい気持ちもありました。まだまだコロナの影響は大きいことを感じました。一日でも早く終息して、また満員の甲子園でプレーする選手を見たいですね。
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かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170cm、体重50kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。