ドラフト会議が迫ってきました。高校生では高松商の浅野君や、大阪桐蔭の松尾君、近江の山田君らが注目されていますね。

　３年ほど前のことになりますが、京都の焼き肉屋さんで偶然、松尾君のご両親とお会いました。知り合いのお店だったので、お店のおっちゃんが「この方は松尾さんで、今度大阪桐蔭に入る逸材のご両親です。第二の藤原恭大ですよ」と紹介してくれて。

　少しお話しさせてもらいましたが、松尾君が小学６年生か中学１年生の時、僕と甲子園で写真を撮ったことがあったらしくて。これも不思議な偶然やなと。

　その時はまだ松尾君が大阪桐蔭に入学前だったので、ご両親とも「すごい選手ばかりのところですし、３年間で一度でも背番号をもらえたら」と言われていましたが、堂々のレギュラーで、日本代表にも選ばれてますからね。当時は僕からも「がんばってくださいね」と言わせてもらいましたが、がんばりすぎというか（笑）次に松尾君と会うことがあれば、僕が写真を頼まなあかんなというぐらいの選手ですからね。

　松尾君がどの球団に指名されるのかが楽しみですが、こういった注目選手とは別で、プロ志望届を出した大学生に香川大の平岡佑梧という投手がいます。僕の中での「隠し玉」で、僕と同じ淡路島の津名高校出身で、阪神の近本選手と同じ中学出身でもあります。

　最速１４７キロぐらいの右のスリークオーターで、カットボールやスライダーも武器です。野球を始めたのは中学校からで、小学校の時には柔道をやっていて、東京五輪金メダリストの阿部詩さんと引き分けたという逸話の持ち主でもあります。

　「同い年で、引き分けました」と自慢げに言うてきた時には、君は男なんやから負けに等しいやろ、と返したこともありましたが。決して恵まれた環境ではない中で、自分で考えて練習してきたので、より本格的な指導を受ければ、もっと伸びるのではないかなと。ちなみに、香川大からプロ野球選手が出れば初めてだそうです。

　香川大ではチーム事情で先発もしているそうですが、自分では１イニングのピッチャーだと。津名では２番手だった投手が、ここまで来れるわけです。オリックスの村西君も津名で２番手のピッチャーでしたしね。

　実際に指名されるかは分からないですが、信念をもって野球を続けてきたからこそ、夢がかなう一日になるかもしれないというところまで、来れたと思います。ドラフトにはサプライズ指名もあったりするので、全国的には無名の選手のドラマにも注目したいです。

　◆かみじょうたけし（本名・上条　剛志）１９７７年１２月３１日生まれ、４４歳。兵庫県淡路市出身。中学、高校時代はソフトテニス部。龍谷大卒。お笑いコンビ「ロビンス」で活動後、現在はピン芸人。「デイリースポーツオンライン」でコラム「かみじょうたけしの内にズバッと！！」を連載中。