豊昇龍「1回でも取ってみたかった」叔父・朝青龍とも熱戦の白鵬への思いはせる

九州場所へ向け調整する豊昇龍(代表撮影)
九州場所へ向け調整する豊昇龍(代表撮影)
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 大相撲の元横綱朝青龍のおい、幕内豊昇龍(22)=立浪=が28日、九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)に向け、都内の部屋で四股、すり足など基礎運動で調整した。モンゴル出身の偉大な先輩、元横綱白鵬(現間垣親方)が引退し、対戦が実現せず。「7月場所、残念ながら当たらなくて、9月場所は絶対やると思って、本当に楽しみにしていた。横綱の胸を借りて相撲が取ってみたかった」と残念がった。

 間垣親方が全勝優勝した名古屋場所で自身は10勝を挙げ、技能賞を獲得した。千秋楽、表彰式が行われ、支度部屋で対面し、言葉をかけられた。

 「『おめでとうございます』と言ったら、『頑張れよ』と。『次、お前らが頑張るんだぞ』と言われて」。その時は引退とは思わなかったが、後を託された重みを実感する。

 偉大な1つの時代が終わった。「白鵬関は子供の頃からテレビで見ていた」。叔父とも熱戦を繰り広げた雲の上の人だった。「45回優勝した人ですし、すごい人なので1回でも取ってみたかった。本当に1番やってみたかった人」と言う。

 三段目、新十両の際、稽古で胸を借りた。「がっちりかわいがられました」と吹っ飛ばされた。「柔らかいけど当たると壁」と今も感触は残る。「若い時に『早く上がってこないと俺が辞めちゃうよ』と言われていた。やっと上がってきたところで、やれなくて残念」と繰り返した。

 今後は指導者として間垣親方の指導も期待。「教えてもらいたいことがある。まわしの切り方、上手の取り方とか。(親方になり)逆にしゃべりやすくなるかも」と語った。

 新三役を目指す九州場所には援軍も来る。何と叔父が駆け付ける予定だ。「九州場所で叔父さんと会うとなったら、新十両の時以来」と発奮材料だ。

 1週間程前、左手首を負傷。相撲を取る稽古は控えているが、先場所後は千秋楽翌日にも稽古を再開し無休で体を追い込んできた。

 悔しい思いをぶつける。先場所は最高位の東前頭筆頭ながら急性扁桃(へんとう)炎で途中休場。再出場したが5勝8敗2休に終わった。一方で初日に大関正代(時津風)破り、若隆景(荒汐)相手に一本背負いを決めるなど、能力を存分に見せ付けた。

 「いい技を出したんですが、残念ながら負け越してますから。途中で体調を崩してしまったので」。2日間、40度の高熱が出て140キロの体重は9キロ減の131キロ。食欲もなく相撲も圧力で負けた。

 「勉強になった。まわしを取っても力が入らないし、本当にどうしていいか迷った。気持ちが切れるところだったけど、これも勉強」と、乗り越えた。

 体重も戻り、あとは九州で暴れるだけ。「(三役は)見えてきている感じというか。絶対とは言わないですけど、自分のことをしっかりしていけば、行けるんじゃないかなとは思っています」と気合をみなぎらせた。

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