元横綱朝青龍 完敗のおいっ子・豊昇龍にお怒りモード「コノヤローって感じ」

 客席に手を振って引き揚げるドルゴルスレン・ダグワドルジ氏=福岡国際センター(撮影・佐藤厚)
 マス席で観戦するドルゴルスレン・ダグワドルジ氏=福岡国際センター(撮影・佐藤厚)
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 「大相撲九州場所・12日目」(25日、福岡国際センター)

 モンゴル出身の元横綱朝青龍(41)が12日目の15日、来場し、初めておい、平幕豊昇龍(22)=立浪=の取組を生観戦した。

 大栄翔(追手風)に押し倒され完敗したおいにお怒りモード。

 「きょうはツイッターで『素晴らしい負け』ってつぶやいたんです。花咲かしてくれよコノヤローって感じですね。せっかく来てるんだから。もうちょっと気持ち出せよ。剣道部のあれ(竹刀)でけつを2、3発たたいてあげたい。気合を入れてやらないと、気を引き締めてやらないとですね。それあんまり言うと。そのくらいの気持ち」と“らしさ”全開に笑わせた。

 怖い叔父が来場することで豊昇龍も気合は入っていた。だが叔父は厳しい。「血のつながりあるから。相撲に慣れてない。上半身と下半身のバランスがゼロ。攻めるのか守るのかをはっきりしてもらわないと相撲を取れない」と断じた。

 元横綱白鵬(間垣親方)が引退後のテレビで「型を作る」と話したのを朝青龍も見た。豊昇龍にも「自分なりの形作った方がいいんですけど、どんな体勢でも、守るなら守る、攻めるなら攻めると決着を付けるようにやってった方が絶対いい。経験者として自分はねえ、組んでもいける、離れてもいけるということも相撲人生で磨いてきたんで、ああいうものを磨くべきだと思うんですよ」と勧めた。

 横綱の叔父が見にきて負けるなど許されない思いも吐露。「私はガッツというか、すごい勇気をいただく、この人の前でいい相撲を取るというのが現役中、上り調子のことがあったので。やっぱりこういうことに対して勝つべきですよ。大関、関脇で終わった人間に対してじゃない。横綱になった人間なんだから。血の中を守ってほしいんですよ。勝ってなんぼだから。負けてかわいそうじゃない。私がもっと彼に勇気をあげたいんですよ」とゲキは止まらない。

 豊昇龍は入門4年。朝青龍は、もう大関に上がっていた。「皆さん比べものにしちゃうけど、僕も期待も大きい。プライドを持ってほしい。プライドを本土俵で出してほしい。気迫あふれる相撲で見ている人がすごいな、ファンになりますというような相撲を取っていった方がいい。私(初優勝した)ここ(九州)から花開いた、生まれた人間だから、そういうものに対して、せっかく水をあげているのに、もっといいきれいな花を咲くように、通り過ぎる時に皆さんが、振り向くような人になってほしい」と止まらなかった。

 若さもも努力も感じられない。「正直言って、けつに何発も入れたいくらい。それぐらいの痛みと辛抱、苦しさ。そういうのを土俵にぶつけたらもっと力が出るんじゃないかと思う。まあそれをやっちゃいけない。師匠だったら俺は大問題を起こしているかもしれないけど」と朝青龍節。

 最近の若者にも苦言。「甘えているんですよ。言い訳ばっかりするんですよ。何やってるかって、自分のためにやっているんじゃないかよ。我が道をつくれよ、本土俵なんだから。本場所頑張りますよとかそんなもんじゃねえんだよ、必死にやるんだよ」と訴えた。

 自身が若手の頃は横綱貴乃花、曙らが巡業中に胸を出していた。「稽古場の方が本土俵より集中できているし、それなりの稽古の貯金ができている。相撲ってものに対して頭を真っ白にして思い切りぶつかった方がいい」と、不満をあらわ。

 幼少期から豊昇龍を見てきた。「もっと集中してほしい、ガッツ入れてほしい。一人の、一匹の狼になってほしい」と指令した。

 若い世代には「せっかくの時間を無駄にしちゃダメ」と教訓を語った。そして「稽古で体で覚えること。努力、努力で。時代が違うと言われるけど、言っていることはあなたたち本人のためだと。この世界で頂点になった人間として。稽古が筋トレじゃないんですよ。もっと走れよ!もっと稽古して体をいじめろよ、若いうちは痛くないんだから。若い時に稽古やったことが、年を取ったら長持ちする」と語った。

 白鵬と元横綱日馬富士との2人の稽古も激しかった。「琴光喜、若の里とか、貴乃花、曙、武蔵丸にぶつかっていった我々の世代を見て下さいよ」と、相撲への愛があふれた。

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