卓球男子で東京五輪混合ダブルス金メダルの水谷隼さん（３２）が２７日、東京・アリーナ立川立飛で引退セレモニーを行い、ファンの前で現役生活に別れを告げた。サプライズで長女・茉莉花ちゃん（７）からの花束贈呈に感激するシーンもあり、最後は後輩選手たちからの胴上げで送り出され、「思い残すことはない」と晴れやかに語った。

　最後のあいさつ前に“ファン代表”として登場したのは、娘の茉莉花ちゃんだった。サプライズで花束をもらい、パパの顔。「昨日家族で一緒にいたのに（花束贈呈のことは）何も聞いてなくて、本当にビックリしているし、泣きそうです」と感無量の様子だった。

　全日本選手権１０回の制覇をはじめ、数々の偉業を成し遂げてきたカリスマ。この日は五輪２連覇の馬龍（中国）やボル（ドイツ）ら海外のライバルからもＶＴＲで惜別のメッセージが寄せられた。「現役の時は一人だと思ってやってきたが、たくさん仲間がいたんだと感じてうれしいし、思い残すことはない」と万感。「今日が新たなスタート。やりたいこともたくさんある。また輝いている姿を見せられるように頑張っていきたい」と笑顔でラケットを置いた。