バレー日本女子 宮部藍梨で連勝発進 昨年6年ぶり代表復帰→ミドルブロッカー転向で守備強化に注力
「バレーボール女子・W杯、日本代表3-0アルゼンチン代表」(17日、代々木第一体育館)
B組の4試合が行われ、世界ランク8位の日本は同19位のアルゼンチンを3-0で下して開幕2連勝とした。宮部藍梨(25)=姫路=の攻守の活躍や、井上愛里沙(28)=日本協会=の強打などで、2試合連続ストレート勝ち。次戦は19日に同22位のプエルトリコと対戦する。アルゼンチンは2連敗。トルコはブルガリアを、ブラジルはペルーを3-0で退けて2連勝。ブルガリアとペルーは2連敗。プエルトリコはベルギーに3-1で勝ち、ともに1勝1敗となった。
圧巻のストレート勝ちだ。日本がペルー戦に続いて2連勝。宮部が攻守で計13得点と躍動し、チームをけん引した。「1戦1戦で勝ちを積み重ねていくことが大切。今日に集中して頑張ることができた」と大きくうなずいた。
序盤からサイドに開く強打やクイックで点数を重ね、第2セットからさらに躍動。「奥に長いボールを意識した」と、無回転でエンドライン際に落ちるサービスエースを決め、守備では相手の攻撃を完璧にシャットアウト。ブロックだけで3得点を挙げた。
元はアウトサイドヒッターだが、6年ぶりに代表復帰した昨年から、181センチの身長と高いジャンプ力を武器にミドルブロッカー(MB)に転向。プレーの違いに戸惑うこともあったが「どのチームもMBを狙ってくる。絶対にくると分かっている以上、いかに上げられるかが重要になる」と代表合宿では守備強化に注力。アルゼンチンの強打を何度も止めてチームを救った。
各組2位以内がパリ五輪切符を獲得できる大一番。古賀が9得点と抑え込まれた中で、3-0で勝利し「紗理那さんのアタックが目立たなくなってきた時が、みんなが攻められている一番いい状態。悲観的に捉えずに評価したい」と宮部。中1日で迎える世界22位のプエルトリコは、同13位のベルギーを破った相手で、格下といえど油断はできない。
「練習してきたことが点数になってゲームに表れるのは自信になる。次の試合もそういうプレーをしたい」。夢舞台の出場権獲得へ。全員一丸で最後まで戦い抜く。
◆宮部藍梨(みやべ・あいり)1998年7月29日、兵庫県尼崎市出身。小学3年から競技を始め、金蘭会高2年時に初めて日本代表入りした。16年に神戸親和女子大に進学し、17年から米サウスアイダホ大に留学。19年にミネソタ大に編入した。現在はV1の姫路所属。元はアウトサイドヒッターで、6年ぶり代表復帰の昨年からミドルブロッカーに転向した。181センチ。最高到達点は309センチ。
◆バレーボール女子のパリ五輪への道 12カ国が参加でき、1枠は開催国のフランスが保持する。今回のW杯は24チームが参加し、8チームずつ3組に分かれ、各組2位以内で出場権を獲得できる。順位決定方式は以下の通り①勝ち数②勝ち点(3-0か3-1で勝てば3点、3-2で勝てば2点。負けは1点)③セット率④ポイント率。今大会で五輪切符を得られなかった場合は、24年ネーションズリーグ1次リーグ終了(6月17日)時点の世界ランキングで、すでに出場権を獲得している国を除く上位5カ国に入る必要がある。