新十両で無傷8連勝の草野「思い切り前に」 大の里らの連勝記録に王手
「大相撲春場所・8日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)
新十両の草野(伊勢ケ浜)が無傷の8連勝を飾り、勝ち越しを決めた。兄弟子の尊富士らが持つ新十両記録に王手をかけた。
大青山(荒汐)に対して右の上手を命綱に前に出て寄り切った。得意は右四つなだけに「いい相撲ではないが思い切り前に出ました」と、懸命に白星を手にした。
ストレート給金を達成し「一安心です」とほっとした様子。場所前の稽古は十分だったというが、連日の取組は初めてとあって体重146キロと4キロほど痩せたという。
それでも前日の深夜にはステーキを夜食にするなど、体づくりにも余念はない。稽古量に自信があり「部屋の稽古はキツいので、(場所が)15日では足りず20日でもいけるくらいやっている」と胸を張った。
15日制が定着した1949年夏場所以降、1953年初場所の成山、2008年九州場所の翔天狼、2023年秋場所の大の里、2024年春場所の尊富士が新十両で初日から9連勝を達成している。
熊本・文徳高から日大に進み、4年時には学生横綱に輝いた逸材。「花道に照ノ富士親方がいたので気合が入りました」と白星を喜び、記録については「気にはしていない」と自然体を強調していた。