豊昇龍 新横綱61年ぶり不名誉…初連敗で4敗目、三つ目金星配給 強引な小手投げで墓穴「勉強だね」
「大相撲春場所・9日目」(17日、エディオンアリーナ大阪)
新横綱豊昇龍は平幕の一山本にすくい投げで敗れ、4敗目を喫した。新横綱の三つ目の金星配給は昭和以降で最多に並ぶ不名誉で、1964年春場所の栃ノ海以来61年ぶり4人目となり、休場の声がささやかれる危機に陥った。大関大の里は苦手の小結阿炎を寄り切り、大関琴桜を下手出し投げで破った高安とともに、1敗トップを守って勝ち越した。かど番の琴桜は4敗目。賜杯争いは1敗の大の里と高安を、2敗で平幕の尊富士と美ノ海が追う。
背中にべったりと土をつけ、座布団が舞う中、引きつった表情で花道を引き揚げた。豊昇龍が4敗目を喫し、三つ目の金星を配給。新横綱としては1964年春場所の栃ノ海以来となる不名誉記録だ。
一山本のもろ手突きで上手を取れず、強引な小手投げで墓穴を掘り、すくい投げで返された。一度は取材拒否を示し、帰り際に「立ち合いがしっくりきていない。立ち合いで失敗した。勉強だね」と語った。
新横綱として1995年初場所の貴乃花以来の初日黒星、1987年九州場所の大乃国以来となる中日までに3敗を喫した。10日目の相手、宇良に金星を許せば、昭和以降初の失態となる。
横綱昇進時の直近3場所合計33勝(8→13→12)は、柏戸(10→11→12)に並ぶ最少勝ち星数。優勝した初場所も平幕に3敗を喫し、審判部の中では慎重論も多かった。10月に大相撲ロンドン公演が控え、横綱空位を避けたい流れが後押ししたという声も聞こえた。
豊昇龍は場所前の会見で「何が起きても休場しない。負けても休場しない。最後までやる」と誓っていた。八角理事長(元横綱北勝海)から「気持ちが切れた。厳しいね」と言及され、1986年秋場所の双羽黒以来となる新横綱休場がちらつく中、試練の時を迎えた。
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