分断の世界、五輪は隔たり埋める コベントリーIOC新会長
【コスタナバリノ(ギリシャ)共同】女性初の国際オリンピック委員会(IOC)会長に選出されたカースティ・コベントリーIOC理事(41)=ジンバブエ=が、選挙から一夜明けた21日、ギリシャ南部コスタナバリノで共同通信などの取材に応じた。競泳の五輪金メダリストは「分断された世界で、五輪運動はその隔たりを埋められる」と信念を口にし、自身の歩みについても語った。
6月にトーマス・バッハ会長(71)=ドイツ=の後任となる新リーダーは、アフリカ大陸南部に位置するジンバブエの首都、ハラレ出身。祖母と母から手ほどきを受け、2歳で泳ぎ始めた。五輪への思いが目覚めたのは1992年バルセロナ大会の水泳の飛び込みをテレビで見た時で「(高台にある)屋外プールで、とても絵になる場所だった。その光景が目に焼き付いている」という。
2004年アテネ五輪の200メートル背泳ぎで初の金メダルを獲得。政治的な対立が深まっていた母国で「スポーツが障壁を取り払い、人々を結びつける」ことを実感。IOC会長を目指す原点にもなった。