阿部詩 国内復帰戦Vで「ロス五輪の道の第一歩」 こん身の大内刈り一本でパリの悪夢払拭
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(5日、福岡国際センター)
6月の世界選手権(ブダペスト)代表選考を兼ねて、男女7階級が行われ、女子52キロ級では21年東京五輪金メダルの阿部詩(24)=パーク24=が初優勝。2回戦敗退に終わったパリ五輪後、初の国内大会をVで飾った。男子66キロ級では五輪2連覇の阿部一二三(パーク24)が準決勝を棄権。同60キロ級では永山竜樹(パーク24)が準決勝で、同81キロ級では五輪2連覇の永瀬貴規(旭化成)が初戦で敗れる波乱が起きた。
両手をパンッと大きく打ち鳴らし、拳を握って実感を込めた。阿部がパリ五輪後の国内復帰戦で初優勝。「すごくうれしい。パリ五輪で負けたけど、いろんな方の支えがあって今この舞台での優勝があると思う。一度は諦めかけたけど、またロス五輪の道の第一歩につながった」と笑顔をはじけさせた。
恐怖心に打ち勝った。初戦を優勢勝ち、準決勝を反則勝ちで突破し、迎えた決勝。昨年のグランドスラム東京大会などを制した実力者の大森相手に積極的に技をかけるが、打ち終わりの背面を主に狙われた。谷落としで2回戦敗退に終わったパリ五輪の負け方が頭をよぎる。ただ阿部は引かなかった。突入した延長戦では大きく踏み込み、こん身の大内刈り。技の打ち合いを制し、最後は豪快な一本勝ちで勝負を決めた。
「一度負け方としては後ろにひっくり返って負けている。後ろを狙われることが多いけど、そこを頭に入れて稽古してきた。恐怖心を取っ払って入るしかないと思った」。五輪の悪夢を払拭し、栄冠をつかんでみせた。
パリ五輪後は「全てを放り投げた生活を送っていた」と表現するほど何も手に付かなかったが、昨年10月に練習を再開し「畳の上で戦うことが一番の生きがい」と感じて再起。ここまで状態を上げてきた。この日の優勝で代表入りは濃厚。今夏は世界女王の座を奪い返しにいく。「やっと1歩を踏み出せたところ。ロサンゼルス五輪へ向けてもっともっと強くなりたい」。リベンジの五輪までは約3年。阿部が再スタートを切った。
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