箱根王者・青学大がまさかの完敗7位 原監督「課題残った」ばけばけ大作戦不発 2区、3区が区間10位の誤算 エース黒田が猛追も届かず 5位以内逃すのは14年ぶり
「出雲全日本大学選抜駅伝」(13日、出雲大社前~出雲ドーム前=6区間45・1キロ)
大学三大駅伝の開幕戦・出雲駅伝が行われ、7年ぶり5度目の優勝を狙った青学大は序盤の出遅れが響き、2時間10分52秒でまさかの7位完敗に終わった。優勝の国学院大とは1分40秒差だった。青学大が5位以内を逃すのは14年ぶり。初優勝を果たした2012年大会以降では初となった。
誤算が続いた。1区で小河原陽琉(2年)がトップと18秒差の6位。2区は当日変更でスピードランナーの折田壮太(2年)が投入されたが、ペースが上がらず。区間10位と苦しい走りとなり、2区終了時点でトップと54秒差の11位まで遅れた。3区の飯田翔大(2年)も走り出してすぐに前を行く中大を抜く場面はあったが、その後、ジリジリと後退。区間10位の走りで順位を上げられず、トップとの差は2分3秒まで開き、この時点で優勝は苦しい状況となった。
4区は神邑亮佑(1年)も区間8位の走りで順位を上げられず、5区塩出翔太(4年)が意地の区間賞の走りで1つ順位を上げて2分18秒差の10位でアンカーへ。エース黒田朝日(4年)が怒とう追い上げで3つ順位を上げたが、先頭の背中は遠かった。
原晋監督は「課題が残ったレースだった。最終決戦の箱根に向けて尻上がりに上げていきたい」と振り返った。「駅伝っていうはやっぱり前で走らないとレースにならないな、と。いかに流れを呼べるかというところでしょうね。1区は上出来。あんなもん。2、3区がね。特に2区の折田が最後のラスト2キロがまったく伸びなかった。あの差が、3区のエース区間で後手にまわった。黒田を3区で使う案もあったが、2年生が今後チームを背負っていく。ばけばけ大作戦で化けてくれれば、新生青山学院伸びしろがあるんでしょうね。まあ課題が残ったレースですね」とした上で、苦い経験を積んだ1、2年生に対して「駅伝は経験しないと、練習では培えないものもある。当然黒田のように天性駅伝男のようなランナーもいるが、そういうのは稀。しっかり経験させていかないと。まずは学内競争を勝ち抜いて、駅伝に参加してガチンコ勝負で戦ってほしい。やっぱり記録会とかの記録ではない。本番で経験を積む。本番の失敗は本番で返すしかない」と、ハッパをかけた。
原監督は前日会見で今回の駅伝の作戦名を「ばけばけ大作戦」と発表。「6区間の黒田を除いて全て初めて。どう“ばける”か分からない。力は十分にありますけども、未知の世界へのチャレンジ、新生青山学院のチャレンジの場でもあろうかと思う。学生三大駅伝優勝に向けて、3冠に向けての良いスタートをぜひしていきたい」と力を込めていたが、3冠の夢は潰え、今後に向けて課題を残す初戦となった。





