バド斎藤夏がペア解消巡り涙の告白 元シダマツ松山と組む緑川との突然ペア解消の経緯を説明「独断で進めて残念」「説明や配慮に欠けて強い怒り」ロスへ再出発
「バドミントン・全日本総合選手権」(26日、京王アリーナTOKYO)
混合ダブルス日本代表の斎藤夏(25)=PLENTY GLOBAL LINX=が取材に応じた。緑川大輝(25)=NTT東日本=とのペア解散の経緯を明かし、涙とともに心の内を告白した。緑川は昨夏のパリ五輪女子ダブルスで銅メダルを獲得した“元シダマツ”の松山奈未(再春館製薬所)との新ペア結成を11月に公表していた。
取材エリアに現れた斎藤はペア解散について問われると、「ちょっと時間をもらっていいですか。5分ぐらい…」とバッグから1冊のノートを取り出した。そこには緑川との解散に至った経緯と、自らの思いが書かれていた。話し出すと、行き場のない気持ちが涙となって止まらなかった。
「私個人としては緑川さんとロス五輪出場という目標に向け、努力を尽くしてまいりました。緑川さんもまた同様の熱意を持って、この目標に向かって努力してるものと思ってます。ところが今回のペア解消において、私の知らないところで、私の所属チームに対する事前相談もなしに緑川さんがペア解消を独断で進めたことについては、とても残念に思ってます。世界ランキング7位という実績を評価していただいたペアの解消は、私にとって人生の岐路に立つような重大な決断です。その決断は私の生活に大きな影響を与えるものです。長らく一緒に歩んできた関係性を、一方的な通告だけで解消することは、納得できるものではありません。特にペア解消という決定が、すでに他の人との新たなペア関係を前提としているにも関わらず、私や、私のチームへの十分な説明や配慮に欠けている点において、強い怒りを感じています」
斎藤はペア解散に動いていることを7月に知った。知りながら歯を食いしばって、今月に行われたツアーファイナルに出場。気持ちに何とか落としどころを付けて、今回の全日本総合選手権では古賀輝(ジェイテクト)との新ペアで臨み、快勝発進を決めた。
「私は私らしく歩みを止めずに前を向いて進んでいこうと思います。古賀先輩やジェイテクトの皆さんと前向きに挑戦できるチャンスをいただきましたことに感謝しております。今後は古賀、斎藤の応援よろしくお願いします」と締めくくり、最後は「五輪が強い目標が消えなかった。どうしても出たい気持ちがある。ここでバドミントンを辞めたら自分がいなくなっちゃう。今までのやってきたバドミントン人生を辞めたらすごいもったいない」と前を向いた。
一方、緑川も取材対応し、ペア解消について「もともと感じていたものも少しあって、それが重なった。松山さんからオファーを頂いて、自分と監督と話し合って協議した結果という感じ。(斎藤)夏とは直接話したりもしたので、内容は分かってもらっているつもりだったんですけど…ここまでやってきた歴もあるので、なかなか理解してもらえるのは難しかったりする」と説明。目標に五輪のメダルを掲げているだけに、もっと高い競技力でプレーしたい気持ちも少なからずあったという。「そこ(五輪メダルへの気持ち)は含まれていると思う。そういったことも考えてのあれ(ペア解散と結成)だった」と語った。





