宝塚花組 水美舞斗主演「銀ちゃんの恋」開幕 芝居でもファンを魅了
宝塚歌劇花組スター水美舞斗(みなみ・まいと)主演「銀ちゃんの恋~銀ちゃん、本日も反省の色なし~」が2日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日を迎えた。
つかこうへい氏の「蒲田行進曲」のミュージカル化で、宝塚では96年久世星佳で初演、2008年と10年に大空祐飛で再演された。今回、3人目の主人公・銀ちゃんを演じた水美は、今作が初の東上主演作。神奈川公演を終え、地元の大阪へ戻ってきた。
水美といえば、その卓越したダンスが魅力だが、今回は芝居で観客を酔わせた。自己中心的でわがまま、それでいて憎めない銀幕スターを緩急自在に演じた。初日前のゲネプロでは「チーム一丸となって、精一杯務めてまいります」と誓っていた。
銀ちゃんから妊娠した恋人で落ち目の女優・小夏を押しつけられる大部屋階段のヤスを演じたのは実力派の飛龍つかさ。人間のおかしみと悲しさを丁寧に表現した。
またヒロインの小夏は、3年目の星空美咲が抜擢された。妊娠した落ち目の女優という、星空の学年では難しい役に体当たりで挑戦。見事に演じきった。
また銀ちゃんのライバル俳優・橘を演じた帆純まひろもスターらしいオーラをまとい、役にピッタリ。ヤスの母親役の京三紗、映画監督役の悠真倫の専科の2人がグッと芝居を引き締めた。
上演は10日まで。