自民党若手が総裁選にモノ申す!「国民に向き合う党に改革を」 「党風一新の会」福田達夫氏に聞く
29日に投開票となる自民党総裁選。公示前の10日、自民党改革を訴える若手有志「党風一新の会」が立ち上がった。約90人の“大所帯”で、総裁選の行方の鍵を握るとも言われる同会。発足の経緯や改革の具体像などを、呼び掛け人の1人で代表世話人を務める福田達夫衆院議員(54)に聞いた。
◇ ◇
-発足の経緯は。
「新型コロナウイルス禍の中、観光業界は固定費で疲弊し、生鮮卸には協力金が出ない。苦しんでいる声を拾うのは政党の役割だ。なのに自民党の偉い人は『これが政府案だから仕方ないね』と言うだけ。あまりに強い政治リーダーを頂いてきたので、考えずに従う癖が付いている。数カ月前から憤りを感じていた。これが活動の原点だ。同じ思いの若手がたくさんいた。地元を回り次の対策が必要だと感じても、党執行部が動かない。国民に向き合う党に改革しなきゃいけない」
-菅内閣の支持率はどんどん落ちていった。
「菅義偉首相はカーボンニュートラル、ワクチン接種推進など大きな仕事をした。でも説明が足りない。昭和のおやじのように『いいから俺に付いてこい』と。国民の不安は緊急事態宣言が重なって怒りに変わった。政治不信になると、もう絶対元には戻らない。麻生政権の最後と似ている」
-党改革の具体像は。
「権力の集中を崩して風通しの良い組織にする。権力は集中すればよどむ。保守政治をアップデートし、自浄作用を働かせるのは派閥だ。政府に対し強い政党に改革する肝になるのも派閥だ」
-総裁選の投票判断を派閥に一任するべきではないと主張していたが。
「派閥が投票先を決めるのでなく、自由意思で投票するプロセスを国民に見てもらうのが大事だ。派閥が意中の総裁を出すための組織だなんて平板に考えない方がいい。政策の軸や優先順位を考え、チームを担う人材を育成し、政治のマネジメント改革を担う。本当の意味で政策集団になる」
-総裁候補には何を求めるか。
「いま『政治は国民のもの』という立党以来の党是に疑問符が付いている。いかに改善していくのか聞きたい。政権運営は首相の個人技ではなくチームプレーが大事になるので、要の人事である官房長官、幹事長の候補も明らかにしてほしい」
-清和政策研究会(細田派)の源流で、祖父福田赳夫元首相が党改革を掲げ結成した「党風刷新連盟」を意識したのか。
「会の名称は仲間が決めた。戸惑いはあるが、僕の組織じゃない。若手が発信し活躍するプラットフォームにしたい」
◆福田達夫(ふくだ・たつお)1967年3月5日生まれ。慶大卒。商社勤務を経て、2007年に父・福田康夫首相の秘書官を務める。12年衆院選に群馬4区から出馬し初当選。現在は3期目。趣味は人の話を聞く、読書。祖父は福田赳夫元首相。