宝塚 花組トップ・柚香 芝居で見事なピアノの腕前披露 リストを熱演
宝塚歌劇団花組トップスター柚香光が4日、宝塚大劇場で「巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~/Fashionable Empire」(~7月11日)の初日を迎えた。
19世紀パリを舞台に、ピアノの魔術師と称され、時代の寵児となった美貌のフランツ・リストの心の遍歴を描いた作品。トップ娘役・星風まどか演じる運命の恋人マリー・ダグー伯爵夫人との恋を中心に、ショパン(水美舞斗)、男装の麗人ジョルジュ・サンド(永久輝せあ)らの恋と友情を交えて描いている。
柚香は冒頭、得意のピアノを実際に舞台上で披露。見事な腕前を見せた。ジョルジュとのむせかえるような愛、ラプリュナレド伯爵夫人との打算的な愛、マリーとの魂が結びつくような愛、さらに内面の葛藤を丁寧に演じた。
柚香と同期の水美は芝居、ショーとも重要な役やシーンを勤めた。芝居では柚香との信頼を感じさせるやり取りで、舞台を締めた。またショーでも得意のダンスで盛り上げていた。前日に行われたゲネプロでは「千秋楽まで一人ひとりがケガに気をつけ、病に気をつけ、1日1日を精一杯つとめてまいります」とあいさつしていた。
永久輝は男装の麗人ジョルジュ・サンドに挑戦した。男役ならではの強さで、時代に立ち向かう女性を生き生きと演じた。また赤いスーツが、永久輝の美しさと強さを際立たせ、情熱的で高潔な色香を感じさせた。
若手スターの聖乃あすかは目力があり、演説的なセリフも、仲間達をグイグイと引き込む様に、説得力があった。ショーでは、今公演で退団する同期の音くり寿とのシーンも。音も得意の歌で公演を盛り上げた。
また飛龍つかさ、若草萌香、芹尚英も退団。いずれも芝居やショーで見せ場があり、有終を飾った。東京宝塚劇場公演は7月30日~9月4日。